二話 ページ3
「...うーん」
自分の部屋で、ノートと向かい合わせに、低い声で唸るA。
まだ湯気の立っている紅茶を何口と口に含んでは、シャーペンを手に持ち、顔を歪ませる。
(駄目だ...眠過ぎて、全く集中出来ない)
Aにとって苦手教科である数学。
高二の数学の参考書を見ては、眠気に負けまいと目を擦る。
今日は金曜日だ。
学校に行った分の疲れが眠気としてAに
襲い掛かっているのだろう。
「今日は、無理...」
Aは丁寧に本棚に参考書を仕舞えば、
そのまま机に突っ伏した。
よっぽど疲れていたのか、
Aは一分も経たずして、眠りについてしまった。
けれど、彼女は知らない。
この眠りの後、世にも不可思議な出来事が起きるなど。
──...。
(何だろ...なんか、下から話し声が...。
梨花さんと幸人さん...かな)
梨花と執事である幸人を連想しては、
欠伸をして、眠りから覚める。
時計を見れば夜の8時を指している。
梨花と幸人はもう既に帰っている時間だ。
「何だろ...?」
冷めた紅茶を飲み干し、Aは意を決して、
部屋から出た。
階段を下がっていけば、だんだん聞こえてくる、低めな話し声。
そして、分かってくる。
それは、とても深刻な雰囲気を纏っていると。
「飯を食ってから異常な眠気に襲われ、
したかと思えば、この様か...。笑えねぇな」
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彩月いろは(プロフ) - 美咲さん» コメントありがとうございます!更新は遅めですが、これからもよろしくお願いします! (2018年3月24日 18時) (レス) id: 676cb16bcb (このIDを非表示/違反報告)
美咲 - 更新頑張ってください。楽しみに見ています。 (2018年3月23日 23時) (携帯から) (レス) id: c4afbacf0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩月いろは | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/36b8bca33b1/
作成日時:2017年5月27日 17時