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「ひろ」



圭吾に呼ばれ、ドキッとした。
一瞬の内に拡がったネガティブな思考を見透かされたような気がした。

認めたくなくてわざと明るい声で返事をすると、圭吾は優しく手招きをした。



「勇吾に声かけてやって?ずっとひろの事呼んでる」
「…ぇ?」



慌てて目の前にしゃがんで勇吾の口元に耳を傾けると小さな声で宏光…宏光…って、迷子になった子どもみたいに呟いていた。



「っ…ゆうご、ゆうご、ここにいる…、ゆうごの側にいるよ…?」



圭吾は後ろから勇吾を支えるようにして抱きしめ直した。
俺は正面から勇吾を優しく抱きしめて、二人で勇吾を守るように温もりを寄せた。



「勇吾…、勇吾…、大丈夫だよ…」
「…っ……」



勇吾の手が動き、ゆっくりと俺の背に回った。



「……ひ……宏…光…?」



存在を確かめるような呼び方に、耐えきれず涙が零れた。



「っ…うん、そう…宏光だよ。ここにいるよ…勇吾」
「……っ…ひろ…宏光…っ…」
「泣かないで…っ…勇吾…大丈夫だから…」



カタカタと震えているのは熱のせいだけではないと分かるから、ぎゅうっとキツく抱きしめて泣き止まない身体を懸命に摩った。
俺自身もつられて泣きたい気持ちでいっぱいだったけど、俺が泣いたら勇吾も余計に泣いてしまいそうな気がしたから、必死に昂ぶる感情を抑えた。

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設定タグ:藤北 , キスマイ , ミラー・ツインズ   
作品ジャンル:タレント
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絢音(プロフ) - こっちゃんさん» こっちゃんさん♪宏光も圭吾も、大好きをまっすぐ勇吾に伝えるというのを大事にして創ったので、そう言ってもらえて嬉しいです(^^)わぁ!お心遣いもありがとうございます!今書くのが楽しい時期になってるので、また次作に向けて楽しく書いてます(^^)♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - のこさん» のこさん♪お久しぶりです(^^)おや、更新通知が?青い鳥でもほぼリアルタイムでお知らせしてるので気づいてもらえて嬉しいです♪始めから読んでくれたんですね!嬉しい♪3人のその後の話なども、またいつの日にか…。それまではここの3人にまた会いにきて下さいね♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - つーちゃんさん» つーちゃんさん♪ふふ、ずっと読ませて下さいと言われたすぐ次に完結させてしまった何とも悪いタイミングの悪さに若干気まずくなっております( ̄∀ ̄)笑。でも終わらないでーって、すっごく嬉しかったですよ♪またいつでも双子と宏光に会いにきてやって下さいね(^^) (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» これからきっと、辛いよりも楽しくて幸せな何気ない日常がたっくさん訪れるはずですね(^^)あ…ふふ、風車♪それだけはどうしても取り入れたくて、一番美味しいとこどりでラストに持ってきちゃった(*゚▽゚*)大好き大好き言い合う3人まるっと抱きしめてあげたい…っ!! (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 赤い浴衣の別嬪さんには私ならただでからあげあげちゃうし逆ナンもしたくなっちゃう♪楽しく書けた描写でした(^^)宏光視点でのあの日語りをラストに放り込む事でまたハッピーだけでは終わらない締め方になってしまいました(*゚▽゚*)笑。でも愛情たっぷり注いだよ♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絢音 | 作成日時:2020年3月18日 19時

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