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「二人で来るなんて珍しいな」
「勇吾をびっくりさせたくて」



ひろの弾む声に、仕方ねぇな…と勇吾の表情が柔らかなものになる。
メニューとおしぼりを持ってきてごゆっくりどうぞと一礼し、勇吾はカウンターの中に戻っていった。



「久々に見たけど、やっぱりあの制服格好いいな」
「んふふ、だよねぇ」



白いYシャツに黒いベスト、黒の蝶ネクタイを纏う制服スタイルはいつ見ても様になっている。

案の定ひろの目はややうっとりと恋人に向けるソレへと変化しつつあった。
そんなひろを優しく見つめていると、視線に気づいたのか少し照れくさそうに笑って、どれにしようかとメニューを向けてくれた。



「ひろはどれにするの?」
「もちろん、勇吾の新作カクテル」
「あ、ジンベースのやつ?俺もそれにしようかな」
「圭吾にはちょっと甘めかもしれないよ?」
「嫌いって訳じゃないから多分大丈夫だよ」



一杯目の注文が決まり、それとチーズ&ナッツの盛り合わせをオーダーした。

店内を見渡すとカウンターに二組とテーブル席にもお客さんが結構いて、早めに来てこの人数だとやはり人気の店なんだということが分かる。
けれど大衆居酒屋のようにガヤガヤと煩いわけではなくむしろ洗煉とされていて、心地よいジャズがBGMの役割を果たしている。
カウンターの中に目を向けると勇吾はオーダーされたカクテルを作ることに専念していて、もう俺らを意識している様子は感じられない。
積極的に接客をしている風には見られないが、それでも目の前のカウンターに座る女性は、シェイカーを振る勇吾をうっとり見つめているのが後ろ姿だけでも一目瞭然だ。
勇吾目当てで通っている客も少なくはないのだろう。



ふと視線を感じて目線を戻すと、ひろが両肘を突いて楽しそうに俺を見つめていた。



「え、どうかした?」
「職業病だ」
「へ?」
「さっきからずっと店内観察してたでしょ?」
「え…そうかな?」
「うん」
「あ…はは、ごめん。嫌だった?」
「ぜーんぜん、圭吾の仕事姿は見られないからちょっと新鮮だったよ」



そう言ってひろは笑ってくれたけど、これからはちょっと気をつけようかな。

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設定タグ:藤北 , キスマイ , ミラー・ツインズ   
作品ジャンル:タレント
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絢音(プロフ) - こっちゃんさん» こっちゃんさん♪宏光も圭吾も、大好きをまっすぐ勇吾に伝えるというのを大事にして創ったので、そう言ってもらえて嬉しいです(^^)わぁ!お心遣いもありがとうございます!今書くのが楽しい時期になってるので、また次作に向けて楽しく書いてます(^^)♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - のこさん» のこさん♪お久しぶりです(^^)おや、更新通知が?青い鳥でもほぼリアルタイムでお知らせしてるので気づいてもらえて嬉しいです♪始めから読んでくれたんですね!嬉しい♪3人のその後の話なども、またいつの日にか…。それまではここの3人にまた会いにきて下さいね♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - つーちゃんさん» つーちゃんさん♪ふふ、ずっと読ませて下さいと言われたすぐ次に完結させてしまった何とも悪いタイミングの悪さに若干気まずくなっております( ̄∀ ̄)笑。でも終わらないでーって、すっごく嬉しかったですよ♪またいつでも双子と宏光に会いにきてやって下さいね(^^) (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» これからきっと、辛いよりも楽しくて幸せな何気ない日常がたっくさん訪れるはずですね(^^)あ…ふふ、風車♪それだけはどうしても取り入れたくて、一番美味しいとこどりでラストに持ってきちゃった(*゚▽゚*)大好き大好き言い合う3人まるっと抱きしめてあげたい…っ!! (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 赤い浴衣の別嬪さんには私ならただでからあげあげちゃうし逆ナンもしたくなっちゃう♪楽しく書けた描写でした(^^)宏光視点でのあの日語りをラストに放り込む事でまたハッピーだけでは終わらない締め方になってしまいました(*゚▽゚*)笑。でも愛情たっぷり注いだよ♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絢音 | 作成日時:2020年3月18日 19時

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