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ふと、雨が止んだ気がした。
「…っ」
「……宏光…っ」
ガシャンと音がしたと思ったら、息ができなくなるかと思うくらいに苦しくなった。
ブランコから立ち上がった勇吾が、俺を力一杯抱きしめていた。
「俺が悪かった。どこにも行かない、一緒に帰るよ。
…だから許してくれないか?」
力一杯に抱きしめてくれる腕が時折震えているのは、きっと雨のせいだけではないのだろう。
ほんとに?ほんとに帰ってくれるの?
あぁ…、お前の側にずっといる。
ほんと…?
本当だよ。
似たようなやり取りを何度も繰り返して、安心しては不安になり…次で最後だと絞り出した言葉にもまたあともう一回と終わらない確認を繰り返した。
呆れられるはずなのに勇吾は嫌な素振りひとつも見せずに、離れない、ほんとだよ、大丈夫と耳元で言い聞かせてくれた。
「……ね、勇吾」
「…ふ」
「え?」
「ククッ…いや、…可愛いなって…思ってさ」
「……ぁ」
「決して馬鹿にしている訳じゃないんだ。俺にとってお前は昔から特別で、昔からただ…俺にはどうしたって宏光が可愛いんだ」
「…っ」
そうだ、最初の引き金は“ 可愛い ”だった。
勇吾や圭吾に可愛いがられるのは心地いいはずなのに、何でか分からないけど急に…対等に見られてないような感じがして、一度思ってしまったらもう止まらなくて、疲れてたのもあって半ば八つ当たりみたいな感じで一方的に勇吾を責めたんだった…。
「宏光は…可愛い。だけど、誰より男前だと思う」
「っ…」
「下になんて思った事は一度もない」
「…ん…分かってる…ごめんなさい。
勇吾に…可愛いって言われるのも、すきだから…」
「うん、知ってる」
優しい相槌に、また涙が込み上げた。
「…ぅ…っ…ふ…」
「ふ…、また泣くのかよ」
「うぅぅぅぅ…っ、ゆぅごぉぉ…」
「…ごめんな」
勇吾が戻ってきた。
やっと安心できてぎゅうぎゅうとしがみついていた身体をゆっくりと離した。
涙まみれでぐしゃぐしゃになっている俺を見て勇吾は一層優しく目を細め、俺の頬を包んでそっとキスを落とした。
雨と涙のキスは、すごく優しい味がしたんだ。
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絢音(プロフ) - こっちゃんさん» こっちゃんさん♪宏光も圭吾も、大好きをまっすぐ勇吾に伝えるというのを大事にして創ったので、そう言ってもらえて嬉しいです(^^)わぁ!お心遣いもありがとうございます!今書くのが楽しい時期になってるので、また次作に向けて楽しく書いてます(^^)♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - のこさん» のこさん♪お久しぶりです(^^)おや、更新通知が?青い鳥でもほぼリアルタイムでお知らせしてるので気づいてもらえて嬉しいです♪始めから読んでくれたんですね!嬉しい♪3人のその後の話なども、またいつの日にか…。それまではここの3人にまた会いにきて下さいね♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - つーちゃんさん» つーちゃんさん♪ふふ、ずっと読ませて下さいと言われたすぐ次に完結させてしまった何とも悪いタイミングの悪さに若干気まずくなっております( ̄∀ ̄)笑。でも終わらないでーって、すっごく嬉しかったですよ♪またいつでも双子と宏光に会いにきてやって下さいね(^^) (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» これからきっと、辛いよりも楽しくて幸せな何気ない日常がたっくさん訪れるはずですね(^^)あ…ふふ、風車♪それだけはどうしても取り入れたくて、一番美味しいとこどりでラストに持ってきちゃった(*゚▽゚*)大好き大好き言い合う3人まるっと抱きしめてあげたい…っ!! (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 赤い浴衣の別嬪さんには私ならただでからあげあげちゃうし逆ナンもしたくなっちゃう♪楽しく書けた描写でした(^^)宏光視点でのあの日語りをラストに放り込む事でまたハッピーだけでは終わらない締め方になってしまいました(*゚▽゚*)笑。でも愛情たっぷり注いだよ♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2020年3月18日 19時