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「怖かったな…、キツく言っとくから…泣くなよ」
「ん…っ……っっ…」
「お前に泣かれると…、どうしたらいいか分かんねぇよ…昔から」



お前の泣き顔には弱いんだと呟く勇吾には、戸惑いの中に…たくさんの優しさを感じる。
早く泣き止まないとと思うのに、勇吾の優しさにいとも簡単に涙腺が刺激される。

みっともなくしゃくり上げる俺に、勇吾は仕方ねぇなと苦笑しながら俺を抱きかかえたまま一緒に布団の中に潜った。



「っ、ゆ…」
「もうあいつは自分の部屋で間抜けな顔して寝こけてるけどな、…万が一また寝ぼけて入ってきても俺が追っ払ってやるよ」
「……」
「ちゃんと守ってやっから、…早く寝ちまえよ」
「……ぅん」



ぶっきらぼうな口調で、俺を守るように大事に抱きしめてくれる…。



「…ありがと、……おにーちゃん」
「っっ、…ばか、気色悪い呼び方すんじゃねー」
「ふふ…」
「…もう寝ろって」
「うん、…おやすみ…勇吾」
「…おぅ」



お兄ちゃんなんて、そんな呼び方子どもの頃だってしてなかったけど、何でだろう…今無性に呼びたくなった。
世界にたった一人しかいない、大切な兄だから。

またゆらゆらと揺らめく視界にギュッと目を瞑って鼻を啜ると、温かな手が優しく頭を撫でてくれたんだ。









.








「あーっ、また仲良く寝てるー!」



大きな声にぱちっと目を開けると、キラキラと眩しい笑みで朝だよとひろが笑っている。
隣を見ると勇吾が眠たそうに少し寝癖のついた頭を掻いていた。



そうか…朝までいてくれたんだ…。

嬉しくて勇吾を見つめていると、ひろの顔が横からぬっと出てきた。



「なーに勇吾の事見つめてんの、圭吾」
「っ、や…っ」



反射的に勇吾にしがみ付いてしまった。
昨夜のように優しく抱きしめ返してくれる事はなく、呆れた声が降ってくる。



「ったく…、とりあえずお前は土下座して圭吾に謝っとくんだな、宏光」
「へっ?何でぇ!?」



不思議がるひろにかいつまんで勇吾が説明する事1分後…
どんどんひろの顔が青ざめていき、ほんとに床に額を擦り付ける勢いで土下座し始めるひろを慌てて止めに入ったのだった。







.

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設定タグ:藤北 , キスマイ , ミラー・ツインズ   
作品ジャンル:タレント
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絢音(プロフ) - こっちゃんさん» こっちゃんさん♪宏光も圭吾も、大好きをまっすぐ勇吾に伝えるというのを大事にして創ったので、そう言ってもらえて嬉しいです(^^)わぁ!お心遣いもありがとうございます!今書くのが楽しい時期になってるので、また次作に向けて楽しく書いてます(^^)♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - のこさん» のこさん♪お久しぶりです(^^)おや、更新通知が?青い鳥でもほぼリアルタイムでお知らせしてるので気づいてもらえて嬉しいです♪始めから読んでくれたんですね!嬉しい♪3人のその後の話なども、またいつの日にか…。それまではここの3人にまた会いにきて下さいね♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - つーちゃんさん» つーちゃんさん♪ふふ、ずっと読ませて下さいと言われたすぐ次に完結させてしまった何とも悪いタイミングの悪さに若干気まずくなっております( ̄∀ ̄)笑。でも終わらないでーって、すっごく嬉しかったですよ♪またいつでも双子と宏光に会いにきてやって下さいね(^^) (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» これからきっと、辛いよりも楽しくて幸せな何気ない日常がたっくさん訪れるはずですね(^^)あ…ふふ、風車♪それだけはどうしても取り入れたくて、一番美味しいとこどりでラストに持ってきちゃった(*゚▽゚*)大好き大好き言い合う3人まるっと抱きしめてあげたい…っ!! (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 赤い浴衣の別嬪さんには私ならただでからあげあげちゃうし逆ナンもしたくなっちゃう♪楽しく書けた描写でした(^^)宏光視点でのあの日語りをラストに放り込む事でまたハッピーだけでは終わらない締め方になってしまいました(*゚▽゚*)笑。でも愛情たっぷり注いだよ♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:絢音 | 作成日時:2020年3月18日 19時

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