真夜中の訪問者 ページ10
14、真夜中の訪問者
side宏光
目を開ければまだ真っ暗で、寒さで深夜に目が覚めたのだと分かった。
「ん…っ…さむ…」
ゆっくりと起き上がり、寒さでチクチクするお腹を摩りながらトイレに入った。
用を済ませて自室に戻ろうとして、再び襲ってくる寒さに身を縮こませる。
「…あ」
そうだ、今日は寒いんだ。
一人で眠るより、もっとあったまれる方法があるじゃないか。
「んふ…」
勇吾だって、きっと俺の体温恋しさに震えているに違いない。
そうと決まれば自分の部屋に戻ろうとしていた足は行き先を変え、恋人である勇吾の部屋へと向かっていた。
「おじゃましまーす…」
一応ドアから小声で断りを入れてベッドに近づき、形の良い頭が覗き見えたところで安心して隣に潜り込んだ。
…寝ぼけた頭で隣の部屋に入ってしまっていたことには気づかずに。
.
side圭吾
今日は少し冷え込むな…。
ようやく春の兆しがみえてきたとはいえ、まだ夜になるとグッと冷え込むことも多い。
なかなか片付けられない長袖のパジャマに今夜も身を包み、毛布を上まで被って眠りについた。
一度寝入ってしまえば割と朝まで寝ていられるはずなのに、何やら布団の中がモゾモゾと動いているような感覚に意識が無理矢理引き上げられる。
「ん…ぅ…？」
何…？
最初は、自分の寝返りが酷くて目が覚めてしまったのかと思った。
でも明らかに自分以外の何かがすぐ隣にいるような感覚に思わず飛び起きる。
「っ、…っ」
布団を持ち上げれば簡単だが、怖くて指先を全く動かせない。
職業柄、人間の恐怖は嫌というほど目の当たりにしているため余程のことでないと動じない自信はある。
…でも、こんな事態は別の問題だ。
やだやだやだやだどうしようっ、おばけ的なものだったら…
布団を捲り上げたら白いワンピースに髪の長いいかにも怖そうなのがいたらもう耐えられない…っ。
「あ…ぁっ…」
一つ隣の部屋で寝ている双子の兄に助けを求めようとスマホを手繰り寄せる。
その瞬間布団の中が一層モゾモゾと動き、みっともなくヒッ…と悲鳴をあげてしまった。
けれど、布団の中からひょっこりと現れた顔を見てそんな恐怖は一瞬にして吹き飛んだ。
「え……、…ひろ？」
「えへへ」
俺の胸の上に腕を置いて、照れるようにはにかむひろがいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 440人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Kis-My-Ft2」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
絢音(プロフ) - こっちゃんさん» こっちゃんさん♪宏光も圭吾も、大好きをまっすぐ勇吾に伝えるというのを大事にして創ったので、そう言ってもらえて嬉しいです(^^)わぁ！お心遣いもありがとうございます！今書くのが楽しい時期になってるので、また次作に向けて楽しく書いてます(^^)♪ (2021年2月11日 23時) (
レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - のこさん» のこさん♪お久しぶりです(^^)おや、更新通知が？青い鳥でもほぼリアルタイムでお知らせしてるので気づいてもらえて嬉しいです♪始めから読んでくれたんですね！嬉しい♪3人のその後の話なども、またいつの日にか…。それまではここの3人にまた会いにきて下さいね♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - つーちゃんさん» つーちゃんさん♪ふふ、ずっと読ませて下さいと言われたすぐ次に完結させてしまった何とも悪いタイミングの悪さに若干気まずくなっております(￣∀￣)笑。でも終わらないでーって、すっごく嬉しかったですよ♪またいつでも双子と宏光に会いにきてやって下さいね(^^) (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» これからきっと、辛いよりも楽しくて幸せな何気ない日常がたっくさん訪れるはずですね(^^)あ…ふふ、風車♪それだけはどうしても取り入れたくて、一番美味しいとこどりでラストに持ってきちゃった(*ﾟ▽ﾟ*)大好き大好き言い合う3人まるっと抱きしめてあげたい…っ！！ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 赤い浴衣の別嬪さんには私ならただでからあげあげちゃうし逆ナンもしたくなっちゃう♪楽しく書けた描写でした(^^)宏光視点でのあの日語りをラストに放り込む事でまたハッピーだけでは終わらない締め方になってしまいました(*ﾟ▽ﾟ*)笑。でも愛情たっぷり注いだよ♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：絢音
| 作成日時：2020年3月18日 19時
