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side宏光
はぁ…はぁ…
苦しげな息遣いだけが響き渡る。
小さく呻く声が時折混じり、きつく閉じられている目の縁からひと筋の線が零れ落ちた。
「……熱、全然下がらないね」
隣にいる圭吾に目を向けると、圭吾も心配そうにベッドで魘されている勇吾の手を握った。
「辛そうだな…、嫌がってたけどやっぱ病院連れてくべきだよな」
「うん…、こんなになってる勇吾初めてだよ…」
昨日から咳が出始めて、今朝に怠さを訴えてきた。
微熱だから寝ていれば治るだろうという勇吾の言葉に様子を見ていたけれど、酷く魘される声がリビングまで聞こえてきて二人で慌てて勇吾の部屋にやってきた。
熱が急に上がっているのだと見た目でも分かるほど顔を真っ赤にしながら、怖い夢を見ているのか嫌だ嫌だとうわごとのように呟いている。
「…勇吾、勇吾おきて」
かわいそうで見ていられなくて、肩をそっとたたいてみる。
よほど深い眠りの中にいるのかなかなか目を覚まさない。
その内にどんどん様子がおかしくなって、閉じられている両目から涙がぼろぼろと溢れ出した。
「ゆうご…っ、勇吾起きてっ、起きろってばっ、勇吾っ!!」
身体に障るからとかそんな事構っていられず、馬乗りになって勇吾の両肩を鷲掴みにして必死に揺さぶった。
一刻も早くこっちが現実だと安心させてあげたかった。
「っ…!」
ハッと勢いよく勇吾の目が開かれた。
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絢音(プロフ) - こっちゃんさん» こっちゃんさん♪宏光も圭吾も、大好きをまっすぐ勇吾に伝えるというのを大事にして創ったので、そう言ってもらえて嬉しいです(^^)わぁ!お心遣いもありがとうございます!今書くのが楽しい時期になってるので、また次作に向けて楽しく書いてます(^^)♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - のこさん» のこさん♪お久しぶりです(^^)おや、更新通知が?青い鳥でもほぼリアルタイムでお知らせしてるので気づいてもらえて嬉しいです♪始めから読んでくれたんですね!嬉しい♪3人のその後の話なども、またいつの日にか…。それまではここの3人にまた会いにきて下さいね♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - つーちゃんさん» つーちゃんさん♪ふふ、ずっと読ませて下さいと言われたすぐ次に完結させてしまった何とも悪いタイミングの悪さに若干気まずくなっております( ̄∀ ̄)笑。でも終わらないでーって、すっごく嬉しかったですよ♪またいつでも双子と宏光に会いにきてやって下さいね(^^) (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» これからきっと、辛いよりも楽しくて幸せな何気ない日常がたっくさん訪れるはずですね(^^)あ…ふふ、風車♪それだけはどうしても取り入れたくて、一番美味しいとこどりでラストに持ってきちゃった(*゚▽゚*)大好き大好き言い合う3人まるっと抱きしめてあげたい…っ!! (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
絢音(プロフ) - たいちゃんらぶさん» 赤い浴衣の別嬪さんには私ならただでからあげあげちゃうし逆ナンもしたくなっちゃう♪楽しく書けた描写でした(^^)宏光視点でのあの日語りをラストに放り込む事でまたハッピーだけでは終わらない締め方になってしまいました(*゚▽゚*)笑。でも愛情たっぷり注いだよ♪ (2021年2月11日 23時) (レス) id: f3e37fdd05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:絢音 | 作成日時:2020年3月18日 19時