【文スト】浮気現場

浮気 ページ10

「Aさん希望を無くさないでください！」


『敦くん状況分かってる？例え虎でもそんな縛られたらお手上げだと思うよ。私はへっぽこ異能力で使えないし』


「へっぽこなんかじゃないです！僕よりAさんは強いですし、異能力凄いですし、尊敬できる先輩です！」


敦くんは慰めたいのだろうけど女性には 強い より 綺麗 可愛い の方が喜ぶだろうがね。

まあ、私は異能力を褒められるほうが嬉しい。変わった人間なのだろう。

敦くんと喧嘩、いや一方的に呆れていると芥川に電話が入る。




「芥川です。幹部どうされましたか？…ええ、人虎と女子は無事捕らえました。解放…！？何故ですか？ポートマフィアには1ミリも利益は生まれない筈です」




咳払いをし、電話に出た芥川。


解放 という言葉が出てきて思わず敦くんと目を合わせる。




「嵌められた…ですか。分かりました、お先に失礼致します」




太宰さんから前に聞いたことがある。


太宰さんはある人と双黒と言われていたと。


確か名前が ちびっ子異能力者。



「認めたくないが力だけは凄い。有り得ない程単細胞だからいじりがいがあるよ」



と笑っていた日のことを思い出す。


やつがれくんみたいな感じなのかな。


「おい三流探偵。次会う時はお前達の首を掻き切る、覚悟しておけ」



『えっ、ちょっ、これ外してよ忘れたとか言わせないからさ』



大袈裟に鎖の音を鳴らすと忘れていたのか顔を少し赤らめ「自分達でどうにかしろ」と言われた。



『まあ、確かに敦くんがへっぽこなだけでかなり外しやすいけどね〜』



と鎖を見せながら云う。



立ち上がると同時に落ちる鎖。



こんな手錠如きで時間取られたの初だよ。



「Aさん！取れてたんですか！？僕のもお願いします！」


『敦は能無しだからやだね』


「ちょくちょく僕のこと呼び捨てにしてますよねAさん」


仕方ないじゃん長いんだがら



『敦！行くよ、早く外して。置いてくよ』



「Aさんが云うと本当に置いていかれそうなんですけど！！」

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