film31 果実 ページ32
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自身の顔を左手で覆ったまま、羞恥のあまり、狼狽しているAを追い詰めるように、更に指が絡み合わせられる。
｢……うっ………や…はずかし……｣
時折、恥ずかしそうに声を漏らすA。
顔は腕で覆われていて見えないが、耳は真っ赤で、繋がれた右手は、煙が出そうなほど熱くなっている。
頭にとても早くなり打つ心臓の鼓動が、響き渡る。
彼女の脳内は、困惑と羞恥でパンク寸前だった。
｢嫌か？｣
鬼道は、優しくAの顔を覆う左腕を離すと、わざと彼女の顔を見つめながら、哀しそうに尋ねる。
ーこんな顔をされたら、言い逃れなんてできるわけが無いじゃないかー
Aは、数センチにまで迫った、鬼道の整った顔を見つめながら、困ったように目を瞬かせる。
迷っているのか、照れているのか、ビー玉のような瞳をあちこちに、忙しなく動かしながら、震える声で答えた。
｢い……嫌じゃ………ない………｣
ぷしゅーと頭から、湯気が出そうな程、顔を赤くし、Aが途切れ途切れに答えると、鬼道は驚いたように目を見張る。
｢何て？｣
が、直ぐに取り繕うと、聞き取れなかったフリをして、彼女に問いかける。
我ながら、意地悪だと思うが、目の前にいる最愛の人が、こんなにも自分に振り回されて、顔を赤くしているのが堪らなく嬉しかった。
｢だ……から…｣
Aは、鬼道の絡みつくような視線に耐えられず、思わず顔を逸らすと、小さな声で呟いた。
｢嫌じゃ……ない……｣
絡み合わせた彼女の手が微かにふるえていて、白い髪の隙間からのぞく、耳は赤く、さくらんぼのように赤く熟していた。
｢そうか………｣
照れが移ったのか、我慢の限界だったのか。
鬼道は、思わず顔を腕で覆うと、平然を装って答える。
ーやはり、この人の前ではいつも調子が狂うー
Aと鬼道は、顔を赤く染めたまま、同じことを考える。けれど、二人とも、頑なに繋がれた手を離そうとはしない。
ー繋がれた手が熱いのは、顔を見ていないのに頬が赤いのは、きっともうすぐ来る夏のせいだからー
もう少しだけ、このままで。
Aが、顔を俯かせたまま、繋がれた手をキュッと握りしめると、彼は更に強く握り返す。
｢熱いな………｣
｢もうすぐ夏だからね…｣
｢夏祭り……一緒に行かないか？｣
｢……！？うん……｣
少年は、笑みを零すと、そっと少女の額に唇を落とした。可愛らしいリップ音がなり響けば、少女は恥ずかしそうに、微笑んだ。
ー鈍感少女と敏感少年のちょっと甘酸っぱい経験ー
果実は、いつ実るのだろうか。
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シロナ(プロフ) - 愛音さん» リクエストありがとうございます！水神矢くんは、対王帝戦の前後で、雪乃ちゃんを精神的に支えます。絡みは、少し先のお話で予定しているので、お待ちいただければ幸いです！ (2019年3月20日 22時) (
レス) id: 02fecad83b (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 水神矢成龍くんとの絡みをお願いします。 (2019年3月20日 21時) (レス) id: 95fbe585e8 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - あんさん» あんさん、リクエストありがとうございます。鬼道さんとは、星章対王帝の試合で沢山絡ませる予定です！せっかくの幼なじみ設定なので、日常での絡みも増やしたいと思っています(*´艸`) (2019年3月20日 11時) (レス) id: 02fecad83b (このIDを非表示/違反報告)
あん - 鬼道さんとの絡みをお願いします。(￣^￣ゞ (2019年3月20日 10時) (レス) id: 8ea3c89cfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sirona | 作成日時：2019年2月28日 20時
