film32 頬の熱 ページ33
✤
恥ずかしさを誤魔化すように、俯きながら歩けば、
自然と早足になってしまう。思い出さないように、固く目を閉じれば、脳内に鮮明に浮かび上がる。
自然と火照ってしまう頬を押さえながら、Aは、
早足に更衣室へと急いでいた。
(あんな有人の顔……初めて見た…)
まだ、手に微かに残る彼の温もり。
絡み合った彼女の白い手と、鬼道の男の子らしい
血色の良い手は、対称的で、決して
お互いの指を掴んで離そうとしなかった。
久しぶりに見た幼馴染の素顔と、彼の意外な表情に不覚にも胸が高鳴った。先程彼と別れてからも、心臓の鼓動は収まること無く、忙しなく鼓動している。
(心臓……鳴り止まない…)
手なら幼い時に嫌という程繋いでいたのにー
素顔だってもう何度も見ているのにー
｢何でこんなに、頬が熱いのよ……｣
Aは、廊下の壁にゆっくりと寄り掛かると、
火照った顔を隠すように腕で覆い、そのまま
ずるずると床に座り込んだ。
そのまま、しばらくの間、廊下に座り込んでいると、隣の更衣室のドアが、ギィーと音を立てて、ゆっくりと開いた。
顔をあげる気にもなれなくて、黙って俯いていると、扉を開けた主の足音が近づいてくる。
｢誰……｣
今は誰とも話したくなかった。否、話せるほどの余裕が無かったという方が正しいだろう。
Aは精一杯不機嫌そうに、自然と相手が遠ざかるように、出来るだけ低い声で呟いた。
｢A？そんな所に座り込んで風邪引くぞ？｣
声の主は、Aの刺々しい声にも、一切の嫌悪を見せず、彼女の肩に手を置き、優しく言った。
穏やかな口調と、彼女に合わせてかがみ込む彼の様子から、その言葉には嘘偽りが無く、本当に心配しているのが伝わってくる。
Aはゆっくりと顔を上げると、唖然とした声で呟いた。
｢きーちゃん……どうして…｣
目の前にいたのは、見慣れた水色の髪と、真っ白な
肌、氷華のように冷たく、でもとても綺麗な水色の
瞳をした、少年だった。
｢どうしてって……隣うちの更衣室だろ？｣
前髪の隙間から、動揺を覗かせ、ぼんやりとした
声で、Aが問いかけると、氷浦は右手の更衣室を
親指で指し、答える。
｢あ……そっか｣
どうやら、目的地に着いたのにも気づかずに、
廊下に座り込んでいたらしい。Aは垂れ下がった
横髪を耳にかけると、驚いたように、長い睫毛を
瞬かせた。
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シロナ(プロフ) - 愛音さん» リクエストありがとうございます！水神矢くんは、対王帝戦の前後で、雪乃ちゃんを精神的に支えます。絡みは、少し先のお話で予定しているので、お待ちいただければ幸いです！ (2019年3月20日 22時) (
レス) id: 02fecad83b (このIDを非表示/違反報告)
愛音(プロフ) - 水神矢成龍くんとの絡みをお願いします。 (2019年3月20日 21時) (レス) id: 95fbe585e8 (このIDを非表示/違反報告)
シロナ(プロフ) - あんさん» あんさん、リクエストありがとうございます。鬼道さんとは、星章対王帝の試合で沢山絡ませる予定です！せっかくの幼なじみ設定なので、日常での絡みも増やしたいと思っています(*´艸`) (2019年3月20日 11時) (レス) id: 02fecad83b (このIDを非表示/違反報告)
あん - 鬼道さんとの絡みをお願いします。(￣^￣ゞ (2019年3月20日 10時) (レス) id: 8ea3c89cfc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：sirona | 作成日時：2019年2月28日 20時
