イナイレ乙女ゲーム「転生姫と4人の王子」 (ページ2)

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第2話ページ2

「お待ちしておりました。姫」

ゲームを始めるとすぐに1人の少年が現れた。私はその少年の姿に非常に驚き、目を見張る。それはもう、目が飛び出るほどに。てっきり4人のキャラクターだけが登場するものだと思っていたが、まさか彼も出てくるとは。特徴的な水色のポニーテール髪、隠れた左目、物腰柔らかな雰囲気、凛とした佇まい、力強い眼差し。そう、彼は＿

「この度、A姫の専属執事を務めさせて頂く風丸一郎太と申します」

彼はにこりと笑い、私を瞬殺した。理解が追いつかない。風丸が執事？なんという驚きの設定だ。王子、姫が存在すれば執事が存在するのはたしかに筋が通っている。

やはり現代の技術は凄い。風丸の声で、登録した私の名前を呼んでくれた。機械学習の技術が発展した現代だからこそできることだろう。

「まずはこの世界について説明させて頂きます。この国には5つの国があり、士郎王子が治める北の『ハクレン国』、ヒロト王子が治める東の『エイリア国』、悠馬王子が治める南の『月ノ国』、拓人王子が治める『オリンポス国』そして、中央に『ライモン国』が位置しています」

ライモン国は国王・円堂守が統治しており、その娘は私らしい。

「姫は4人の王子と交流し、最後に1人の王子を選んで頂きます。ここまでご確認頂けましたでしょうか」

私は頷く。すると、その頷きに反応して風丸は話を続けた。

「では、他にもう1人、執事を紹介いたします」

彼の隣に出てきたのは、剣城であった。

「...姫の執事を務めさせて頂く剣城京介です。宜しくお願いします」

風丸と同様に美しい所作だ。礼をし、そしてもう一度頭を上げて彼は下がった。風丸は私に言った。

「お食事の準備はできております。国王が既に席についておられるので、急いで参りましょう。お荷物をお持ちいたします」

風丸は私の鞄を代わりに持ち、食卓へ誘導した。煌びやかな廊下を通り、高価そうな絵画をちらりと見ながら先へと進んだ。