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8話:2人きりにされたら2 ページ19

「わかりました…我慢します」


「それでいい」


渋々了承した私を見て紅炎様は満足そうだった。

その態度に少しムッとなるも、もう一つの用事を思い出す。


「では紅炎様、代わりにコレを外してもらえませんか?」



私は、そう言って自分の頭上を指さした。


そこには、髪留めや簪やらで複雑に結い上げられた自分の髪の毛がある。


一度鏡で確認させられただけな為、もはや何がどうなっているのかも謎である。



「自分ではどんな風になっているのかわからなくて…」


そう付け足すと彼は私の手を引いた。


「紅炎様?」


黙ったまま、彼は2人掛のソファーに腰掛ける。

それにつられて私も隣に腰掛けた。


その状態で紅炎様の方を向けば、自然と向き合う形になる。





「じっとしていろ」


「…はい」



彼の言葉に返事をした私は言われた通りに大人しくしていた。



元々、長身な彼は座っていても私より高い位置に頭がある。


頭を屈める必要がなかったので、必然的に目線は紅炎様の顔に向かっていた。

見つめてしまう形になるので、少し照れくさい。


そのせいなのか、何故だか無駄に緊張してしまう。



耐えられなくて、視線を下げた。

それに合わせて僅かに頭の位置が動いたらしい。



「おい、まだ終わってないぞ」


急に声を掛けられて体がビクつく。



「あっ、申し訳有りません」

そう言って、バッと顔を上げれば彼の視線に捕まった。



まるで、金縛りにでもあったかの様に動けない。





「全く、何なのだお前は…」


そう言うと、彼の左手が私の頬に触れた。


「え?あ、こ…えん…様?」


予想外の行動に戸惑っていると、紅炎様が右手で髪留めを解いた。


それが最後だったのか、今まで纏まっていた長い髪がパサッとほどけて広がった。



未だに、私の頬に手が添えられたまま、じっと見つめられる。

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設定タグ:マギ , 煌帝国 , 練紅炎   
作品ジャンル:アニメ
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ミヅキ(プロフ) - 凰朧月鬼華さん» 読んで下さりありがとうございます(≧∀≦)♪ (2016年7月4日 21時) (レス) id: f8d14255d8 (このIDを非表示/違反報告)
凰朧月鬼華(プロフ) - (´つヮ⊂)ウオォォwwww (2016年6月27日 15時) (レス) id: 6873cb50aa (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - Rainyんぼ(*’▽’)さん» お返事遅くなって申し訳ないです!そう言って頂けて光栄です♪ノロノロ更新ですが、よろしくお願いします(*^^*) (2016年6月23日 21時) (レス) id: 7de071f674 (このIDを非表示/違反報告)
Rainyんぼ(*’▽’) - はまりました。更新楽しみにしています! (2016年6月21日 20時) (レス) id: 7bd6c0a158 (このIDを非表示/違反報告)
ミヅキ(プロフ) - 名無しの猫さん» 嬉しいです(∩´∀`∩)キャー♪ありがとうございます! (2014年8月5日 16時) (レス) id: c07fa541ba (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ミヅキ | 作成日時:2014年6月1日 11時

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