近すぎて【衣更真緒】 (ページ31)

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｢こんなところでどうしたんだ？

もしや腹が痛いのか？

なら、保健室に＿＿＿＿っ！？｣

うずくまって泣いている私に誰かが

声をかけてくれた

腹痛と勘違いしていたけれど、気づいたみたい

『北斗…くん？』

声をかけてくれたのは氷鷹北斗くん。

こんなところ、見られたくなかったなぁ

｢あれあれ〜？急に立ち止まってどうしたの？

…ってA！｣

｢明星くんまで止まってどうかしたの？

Aちゃん！？どうして泣いてるの？｣

北斗くんの他にも真くんやスバルくんも来ちゃった

後々、絶対泣いてること真緒に報告されるよね…

｢もしや、ホッケーがAのこと泣かせた？｣

｢そうなのAちゃん！？

女の子泣かせるなんてダメだよ飛鷹くん！｣

｢おい、違うぞ。俺ではない。

まさか、涙が出るほど痛いのか！？｣

Tricksterはいつも通りだね

Trickster…真緒、嫌いになったよね？

涙が出るほど痛いのは心だよ

『お腹が痛い訳じゃないから大丈夫だよ。

ほら、早く教室に行かなきゃ…』

3人は心配してくれたけれど、

無理にでもやり過ごさなくちゃ

｢何やら4人で話し込んでおるようなのだけれど、大丈夫かえ？

困り事かのう？｣

あれ、もしかしてこの口調って

零くん？

いやいや、卒業しているからいるはずないよね

私は振り向いた

そのに居たのは

｢｢｢『零くん／朔間先輩！？』｣｣｣

なんでそこにいるの…？

やっぱり3人も驚くよね

だって零くんは卒業したはずじゃん

もしやまた留年？

なわけないよね

零くんが留年したのは留学してたからだし
頭の良い零くんが留年するはずない

でもどうして？

｢4人とも、なぜ我輩がここにおるか気になるようじゃの？

学校に渡す為の書類があってのう、この後に仕事があるからこんな朝早く来たわけなのじゃよ。

でないと、我輩が朝早くから活動する訳ないだろう？｣

零くんはクククと笑った

確かに朝に弱い零くんが余程の理由がないと朝から来るわけないよね

｢Aよ、なぜ泣いとるのかえ？｣

あ、バレた

面倒臭いことになりそうだけど真緒と
仲直りもしたいし相談しようかな

すごく迷う

『んー、なんでもないよ？気にしないで？』

｢もしや、誰かに泣かされたとかじゃないだろうな？｣

昔の零くんだ

目が怖い。昔から私たちに何かあるとそうやって心配して
周りをすごく警戒してたよね