【十四松】ウソツキ幼馴染みは余命１ヶ月【おそ松さん】

2日目_6 ページ16

｢...それじゃ｣




｢うん！｣





｢あと傘、ありがと｣





｢うん！｣






｢バイバイ｣





｢バイバーイ!!｣






家まで送ってくれた彼に傘を返して手を振る。
十四松は十歩歩いたら振り返り手を振り、また十歩歩いたら振り返り手を振りを繰り返した。




｢...バイバイ｣




きっともう会うことはないだろう。
仕事は続ける。トド松とは他人のふりをすればいい。




お昼、ご飯食べなくちゃ...




あー...でも食欲無いなぁ...





ヘッドホンを耳に当てて目を瞑る。
何も聞こえない。
ヘッドホンからは何も奏でられない。




｢...ぐっ！？げっ...げっ...｣




刹那、喉に炎が灯ったように傷んだ。
慌てて手で口を押さえうずくまる。

真っ赤っか。




｢...痛み止め、あったっけ？｣




確か貰った筈である。
ここら辺に...ほらあった。

まあ、ただの痛み止め。




｢...ふぅー｣




2日目でこれか、色々やばそうだな。





こう、さ。
やっぱり女としては憧れちゃうなー。

この人生に絶望しきった私を光輝く誰かが引っ張りあげてくれる事を。
そして幸せに包まれたまま、息絶える。




あーでも。





そんなヒロイン、私には似合わないか。

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