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剣のさわり心地を確かめている私に、また天舞が絡んできた。
「お前みたいなやる気ない奴に、レアな役職があてがわれるわけねぇだろ?頭沸いてんの?」
「は?」
はっきり言わせてもらおう。
私としては、役職がなんだったとしても別に良かった。
確かに突っ込みたくもなったし、実際に突っ込んでしまったけれど、役職がなんであろうと私には関係ない。
このゲーム内において自分に一番合う役職なんて自分にもわからないのだから、文句はないし言える立場でもない。
それは重々承知していたし、もし勇者以上に自分に適合する役職が見つかればそれに切り替えればいい話なのだ。
しかし、さっきから天舞が本当にうるさい。
「ちょっと一回黙ろうか。人の揚げ足取りが趣味なわけ?」
ずっと我慢していたが、もう限界だ。
他の3人には申し訳ないが、腹が立って仕方がない。
鈴凪さんは本当に優しくて頼りになる。
ひなたちゃんも、明るくて本当にいい子だ。
湊都君に関してはよくわからないが、根は悪い人ではないだろう。
それなのに、どうしてこいつはこうなんだ。
「何だよそれ。事実言っただけでキレんじゃねぇよ」
「あのねえ、私はさっきからずっと我慢してたんだよ?馬鹿だの間抜けだの、どれだけ罵ったら気が済むの!苛々したけど、空気悪くしたくないって思って耐えてたの。なのに調子に乗りすぎじゃない?それでほんとに私より年上?」
3人ともごめんなさい。
でも、どうやら天舞とはどうしても相容れないらしい。
「…チッ」
正論をぶちかますと、天舞は大人しくなった。
機嫌が悪そうにこっちを睨んでくるものの、正直言って全く怖くない。
おろおろしているひなたちゃんの頭をそっと撫で、3人に謝る。
「空気悪くしちゃってすみません」
自分の行動が天舞より年上のように思えると感じるのは私だけだろうか?
「いいのよ、気にしないで」
鈴凪さんが笑顔で応じてくれた。ひなたちゃんも笑顔を取り戻してくれている。
あと…湊都君はなんか喋ろうか。
本当にこの人は何を考えているかわからない。さっきから表情が全く変わらないのだ。
だが、天舞よりは接しやすいと思う・・・多分。
今後、ちょくちょく湊都君に話しかけてみてもいいかもしれない。
基本私が話すばかりだろうが、それでも少しだけ表情を見せてくれるといいな。
せっかくの同い年だから、仲良くなってみたい。
そんな思いが、私の心の中で燻っていた。
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たまき - やほ。本人です。ネットワーク障害でpc使えなくなったので今日は来れないごめん。これはおじいちゃんのスマホw (2023年1月29日 8時) (レス) id: 552d662989 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - 凛々さん» コメントありがとうございます!こちらの作品でコラボさせていただいているキル坊と申します!お褒めの言葉とても嬉しいです、更新頑張れます!ありがとうございます! (2023年1月27日 18時) (レス) id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 凛々さん» コメントありがとうございます!私のアイコンはpicrewの「少年少女好き?」様で作らせていただきました。 (2023年1月27日 18時) (レス) id: ad7268cde5 (このIDを非表示/違反報告)
凛々 - 更新頑張ってください、あと、気になったのですが、たまきさんのプロフィールの画像ってどこで作られたものですか? (2023年1月27日 18時) (レス) id: 1b4f4241a2 (このIDを非表示/違反報告)
凛々 - この作品大好きです! (2023年1月27日 18時) (レス) id: 1b4f4241a2 (このIDを非表示/違反報告)
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