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「あの、ところで。」
ずっと気になっていたことがある。
「これからどうするんですか?世界征服?をしようとしている女の子を止めに行く…っていうのはなんとなくわかるんですけど、具体的にどうするのか…とか。」
そもそも、その女の子は誰で、一体どこにいるのだろうか。
「ぷっ、」
天舞が私の言葉を聞いてバカにするような笑みを浮かべた。
「お前、このままあの女のところに行こうとか考えてたのかよ?バッカじゃねーの?」
「は?」
思わず声が漏れた。
なんでこいつはこうも…人をバカにすることしか頭にないんだろうか。
「あっちにはたくさんの仲間がいるんだぞ。その中にはもちろん戦いに長けてる奴もいる。そんな中で、お前みたいな剣を振ったことすらねぇような奴が戦えると本気で思ってんのか?」
私をバカにするような口調は気に食わないが、言っていることは正論だ。
別の世界から来たとはいえ、私はごくごく普通の一般人だ。
そんな私がはい、戦って。と言われて戦えるはずもない…。
「じゃあ、どうするつもり?あんたが私に稽古でもつけるの?」
「なんでこの俺がわざわざそんなことしなきゃなんねーんだよ。こちとら魔法剣士様だぞ。お前は地道にその辺でレベル上げでもしとけよバーカ。」
…殴りたい。無性に殴りたい。一発くらいならいいんじゃないの。殴っても。
怒りと理性が自分の中でぶつかり合う。
「こら、天舞君!いい加減にしなさい!」
鈴凪さんが珍しく大声をあげて天舞を注意した。
「ごめんね、Aちゃん。こんな調子だけど、この子も悪い子ではないの。大目に見てあげて。」
鈴凪さんが申し訳なさそうにそう言った。
鈴凪さんが悪いわけじゃないのに…こいつは自分で謝ることもできないのだろうか。
「なんで俺が怒られなきゃいけねーんだよ。俺は事実を言ったまでだろ。」
「だとしても言い方っていうものがあるでしょ?そんなんだから、誤解されちゃうのよ。」
鈴凪さんと天舞の会話から、天舞のこの態度は私だけに限らず、普段からのもののようだ。
「別に誤解するような奴は勝手に誤解しときゃいーんだよ。」
天舞はふん、と鼻を鳴らしてそっぽを向いてしまう。
「良くないわよ。本当は優しい子なのに、誤解されるなんて私が悲しいわ。」
そんな天舞にも、優しく声を掛ける鈴凪さん。
…いつも、こんな感じでやり取りしてるんだろうなぁ。
四人の微笑ましい光景。
私だけが異物だった。
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たまき - やほ。本人です。ネットワーク障害でpc使えなくなったので今日は来れないごめん。これはおじいちゃんのスマホw (2023年1月29日 8時) (レス) id: 552d662989 (このIDを非表示/違反報告)
キル坊(プロフ) - 凛々さん» コメントありがとうございます!こちらの作品でコラボさせていただいているキル坊と申します!お褒めの言葉とても嬉しいです、更新頑張れます!ありがとうございます! (2023年1月27日 18時) (レス) id: a4a1b981d8 (このIDを非表示/違反報告)
たまき(プロフ) - 凛々さん» コメントありがとうございます!私のアイコンはpicrewの「少年少女好き?」様で作らせていただきました。 (2023年1月27日 18時) (レス) id: ad7268cde5 (このIDを非表示/違反報告)
凛々 - 更新頑張ってください、あと、気になったのですが、たまきさんのプロフィールの画像ってどこで作られたものですか? (2023年1月27日 18時) (レス) id: 1b4f4241a2 (このIDを非表示/違反報告)
凛々 - この作品大好きです! (2023年1月27日 18時) (レス) id: 1b4f4241a2 (このIDを非表示/違反報告)
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