七話 ページ8
・
昼休み。
南雲から聞いた通り、3-Bに行くために三年生の階に来た。
「なんで俺もいるんだよ」
真白と共に。
『いやだって、一人で三年生の階に来るの勇気いるじゃん。それに真白はユニットに三年生がいるんでしょ？』
「それとこれとは別だろ？まぁ、言ってることは分からなくもないけどさ〜」
うだうだ言いながら着いてきてくれる真白に感謝しかないよ。そういうとこ好きです。
「ここが3-Bだけど、深海先輩いるのか？」
『聞いてみないとわかんないよね』
私はB組のドアをコンコンと鳴らした。
『失礼します。深海先輩っていますか？』
すると、出てきたのは男子高校生にしては小柄な先輩だった。
「奏汰ちんは今いないぞ？」
「あっ、に〜ちゃん！」
「友ちん！」
感動の再会かのように抱き合う2人。
この人が真白と同じユニットの………えと、
『Ra*bitsの、仁兎なずな先輩、ですよね？』
「お、よく知ってるな！」
『仕事してなくてもプロデューサーですので』
逆に、雑用しかできないから、私でもできる最低限のことはしようと思ってるだけ。
名前くらいは、誰でも覚えられるし。
「ああ、お前が噂のもう1人の転校生か。本当に何もしてないんだな？」
『はい。プロデュースとか、難しいことはよくわかんなくて。企画とか、面白いものも思いつかないですし』
私がきっとユニットの練習風景を見ても、何も言えることがないと思う。
凄いとか、カッコイイとか。そんな抽象的なことばっか。
あんず先輩みたいに、足の踏み込みを〜とか、目線を〜とか言えないもん。そもそもそれに気づけない。
だからか、気付いた時には無能のプロデューサーという名がついていた。
別に私は気にしてないけどね。
「なんでここに来たんだ？」
『立地がいいから、ですかね。家も近いし、偏差値低いし。私立なのが難点だけど、他よりかはここの方が良かったですから』
「でも、プロデュース科以外でもよくなかったか？それ。普通科で行けたろ」
『普通科の偏差値夢ノ咲ではダントツ高いんですよ。もちろん受けましたけど落ちました』
プロデュース科は前例がないからかそんなに高くなかったけど、普通科と比べたら圧倒的に
私はそんなに頭も良くないし落ちたしで
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 132人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さかな | 作成日時：2023年10月23日 21時
