二十二話 ページ23
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｢じゃ、そろそろお前は帰れよ〜？夏休み楽しまなきゃ損だからな｣
『あはは……楽しめますかね』
夏休みなんて部活とオープンキャンパスで埋め尽くされてるから。
夏休みエンジョイできないって。
衣更先輩に一度会釈してから、生徒会室を出た。
生徒会室を出たものの、何をしよう。
家に帰りたいけど、今家に帰ると母が勉強しろとうるさそうだから、あまり帰りたくは無い。
実を言えば、ちょー暇なのである。
『なんかないかな……』
カンカン照りの空を見て、ポツリと呟いた。
｢ごめん！お願いできないかな？｣
あんず先輩が、両手を合わせて頭を下げる。
『大丈夫ですよ。今日は予定もなにもないので』
｢本当！？ありがとう！！｣
とは言ったものの。
『どこにいるのあの人……』
断ればよかったなぁと後々思った。
なぜ私がこんなことになっているかと言うと、
窓を眺めながら歩いているところに、あんず先輩が丁度来て、羽風先輩を探し出してほしい、と。
事情を聞けば、今日はUNDEADのライブだそうで、羽風先輩は女の子がいないとやる気が出ないと言ってどこかに出かけてるらしく、それをあんず先輩が探そうと思ったがトラブル続きで現場を後にできない。
どうしようと悩んだ挙句、Aちゃんがいるじゃん。となり私を探して頼まれたのだ。
アホな私はその事情を聞いた時すぐ見つかるわという謎の自信から、即OKをしてしまった。
しかも、今日は予定がないからと言ってしまったことにより、やっぱ予定思い出したから帰ります。ということはできないのだ。
クソ。どこにいるんだよあの人。
まぁ、普段仕事をあんず先輩に任せてる分、私がここで仕事をしなければおあいこにはならない。
………元々おあいこじゃない気はするけど。
あ、そういえば私羽風先輩の連絡先持ってるじゃん。
メンバーの人もそれやれば？とか一瞬思ったけど、本番前だし忙しいか。
てか本番前で羽風先輩が戻っても踊れるのかな。
………んー、私が考えることじゃないか。
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作者名：さかな | 作成日時：2023年10月23日 21時
