十七話 ページ18
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｢ふふ。逃げないで待ってたの偉いね｣
『ははは。逃げるわけないじゃないですかー』
あんず先輩の本気を感じたからね。逃げたら殺されるって本能で感じとりました。
真白にもちゃんと釘を刺されたし。
｢じゃあ行こっか！ダンスルームにいるからそこに行くよ｣
………ああ、ダンスルームね？
分かるよ、分かるけど、ここ広いからさ？まだ全部は覚えてないというか、ね？
『すみません、ダンスルームってどこですか』
｢えっ｣
やっとの思いでダンスルームへ到着。
後ろであんず先輩がもっと勉強の機会増やした方がいいかな、などと怖いことを言っているので、回避の仕方を教えてくれ。
『………なんか先輩疲れてますね？』
｢見かけによらず自由だよねAちゃんは……｣
うーん、早く校内を覚えなければ。
｢それより、早く部屋に入ろう。待たせるのも悪いし｣
あんず先輩はドアをノックし、一言放ってから中に入った。
｢ちょっとぉ、遅いんだけど？｣
｢泉ちゃん、集合時間には間に合ってるんだからいいじゃない？許してあげてよ｣
｢セッちゃん時間にうるさいからね〜｣
すごい。4人しかいないのに騒がしいってことがわかるのすごい。
｢瀬名先輩すみません。この子を連れてくるのに手間取っちゃって｣
わ、すごい。自然と私の紹介に持ってってんのすごい。MC向いてそう。
『ど、どうも。四宮Aです。一年です』
すると、見定めるように1人の先輩がズンズンと前に寄ってきた。
えーと、確か瀬名泉先輩だ。
｢ふーん？コイツがあの仕事しないプロデューサーってやつ？大丈夫なのぉ？連れてきちゃって｣
雑用はきっちりこなしてますから。とは先輩相手にはさすがに言えなかった。
｢勉強中なので、そこは優しく見守って下さい｣
｢はぁ？入学してそこそこ経ったくせにまだ勉強中なの？意味わかんないんだけど｣
だって逃げてましたもん。最初どこのグループをやったか忘れたけど、あ、もうわからんってなって逃げ続けてましたもん。
｢あ、四宮さんじゃありませんか｣
｢あら、司ちゃん知り合いなの？｣
｢はい。幾分か授業で一緒になった程度ですが、顔見知りの仲ですよ｣
朱桜は合同授業でしか見たことありません。
喋ったこともありません。
ガチで何も接点がないです。
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作者名：さかな | 作成日時：2023年10月23日 21時
