十三話 ページ14
・
『失礼しまーす。CDプレーヤーを借りに来ましたー』
ぶつくさ文句を垂れながら、私は3-Aの教室に着いた。
そもそもCDプレーヤーなんていう大きさのもの忘れる？
｢おー、そこにあるから入って持ってけ〜｣
『お邪魔しまーす』
私が教室に入った途端、誰かが大声を出した。
｢ああー！！｣
ビクッと、肩が震える。
その人は、何故かこっちにやって来るのだった。
｢君、奏汰に巻き込まれた人じゃないか！？｣
………あ、この人流星隊のリーダーだ。
『そ、そうですけど……』
｢あの時はうちの奏汰がすまん！同じユニットのリーダーとしてぜひお詫びさせてくれ！！｣
『えぇ……えーっと……』
私が守沢千秋先輩の対応に困っていると、佐賀美先生からストップがかかった。
｢守沢、交流なら後でやってくれ〜。四宮はCDプレーヤー持って早く帰れ｣
いつの間にか佐賀美先生の手に持っていたそれを受け取り､私は退出しようとした。
｢君は四宮というのだな！あ！クラスは！？昼休みに尋ねたいんだが！！｣
超いらねー。
『1-Aです』
｢そうか！じゃあ後で待っててくれ！｣
はは、というから笑いしか私は口から出なかった。
・
｢ありがとうございます。…………なにか疲れたようですが、どうしましたか？｣
『あぁいや、昼休みが怖いなって……』
｢ふむ。まぁとりあえず、席に着いてください。授業を再開しますよ｣
なんで私CDプレーヤー持ってくるだけで疲れてんだろ。
｢なんかあったか？｣
『ははは……死にたい。鬱になりそう』
｢うわっ、高峯してる｣
｢俺の名前変な感じに言わないでくんない？｣
休み時間が怖いなんて思ったの初めて。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 132人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：さかな | 作成日時：2023年10月23日 21時
