十一話 ページ12
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『そうだ。この際なんで羽風先輩に聞きますけど、部活っていつやってるんですか？』
早くやり方を伝授して、夏休みに行った時に早く終わるようにしたいんだ。
なんならその行く回数を減らしてもらいたいんだ。
｢んーとね、本当は毎日活動してるんだよ｣
『え？でも前は部活ないって……』
｢あの時は奏汰くんも颯馬くんもユニット練が被ったからね｣
颯馬くん……は2年生の人か。
確か、紅月の神崎颯馬。
てかそっか。アイドル科の人たちはユニット練なるものがあるんだっけ。
｢でもある時はだいたい奏汰くん先にいるから、部室見たらわかるよ｣
てことは一応毎日覗いとけってことだよね。
『わかりました。ありがとうございます』
｢いーえ。その代わり今度どこかで遊ばない？俺いいとこ知ってるよ？｣
『遠慮しときますね』
｢えぇー！？手強いなぁ｣
すーぐナンパするからこの人。
ふと、壁にかけてある時計を見るともう12時を回っていた。
わ、もうこんな時間なの？そろそろ寝なきゃ。
｢あ、そうだ｣
『どうしました？』
｢最後に君の名前を教えてよ。俺だけ知られてるって不公平じゃない？｣
そういや自己紹介してなかったっけ。
なんかめっちゃした気分でいたや。
『四宮です。四宮Aです』
｢Aちゃんね！覚えた。また連絡していい？｣
こういうことが言えるからこの先輩に沼る人が増えるんだろうなぁ。
『いいですよ。羽風先輩と喋るの楽しかったので』
｢………意外と人たらしなの？Aちゃんって｣
『ふふ。何がでしょうか』
ふふん。そっちがそう言うなら私も言ってやる！
｢タチ悪〜。じゃあね、おやすみ｣
『はい、おやすみなさい』
スマホは効果音を鳴らして電話が切れる。
さ、寝るか。
ベッドで横になり、布団を胸までかける。
『おやすみ自分……』
目を瞑ると、数分で眠りについた。
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作者名：さかな | 作成日時：2023年10月23日 21時
