一話 ページ2
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家からも近い。偏差値もそんなにない。
ここがベストだと思った。
晴れて入学した、夢ノ咲学院。
そして、一学期の途中でやる一回目の進路希望調査。
私は就職する気なんてサラサラなかったので、進学を希望した。
｢入ってばかりですが、夏休みの間にはオープンキャンパスに行っておく方が良いかと。進路のためにはね｣
周りの大人はいつも、
｢先生が言ってたこと考えといてね。進路は早い方に決めとくのがいいんだから｣
口を揃えてこう言った。
｢進路のために｣
と。
入りたてホヤホヤの中、早く出ていけと言わんばかりの進路希望調査。
夏休み前には、三者面談もあると知らされた。
進路進路うるさいな。シンロハラスメントとして訴えようかな。
そんなことをしても、学生の本文は学業とか言って突っぱねられるんだろう。
まだ夏休みにも入ってないのに、進路の話をさせられるなんてうんざりだ。
遊ぶ気満々でいたのにさ。
それこそ、長期休み中は学校に行かないから海とか花火とかして夏を満喫しようと思ってたのに。
そこに面倒な進路という項目が入ってしまったんじゃ、満足に満喫なんてできない。
『今すぐ学校辞めたい……』
「そんなこと言うなよ。まだ入って1ヶ月しか経ってないのに」
ポツリと一言吐いただけなのに耳がいいのかなんなのか、すかさず返しが来る真白友也。
『そうだよ！まだ1ヶ月なんだよ！』
「お、おう？」
熱烈な返しが来るとは思ってなかったのか、少し戸惑っている様子。
『まだ1ヶ月のくせに進路のこと考えろとか頭狂ってる……夏休みがオープンキャンパスで埋め尽くされる……』
学校辞めても別のところでまた同じこと言われるけどな〜と言う正論を言われた。
真白友也は人の心が無いのかもしれない。
「そんなに気負わなくてもいいと思うけどなぁ、俺は」
『真白はアイドルだから余裕あるんでしょ。私はプロデューサーだよ？それによくわかんないからってその仕事他人に任せてる人だよ？』
まともな仕事なんて雑用くらいで後は本当に何もやってないよ？
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作者名：さかな | 作成日時：2023年10月23日 21時
