ずるいじゃん【灰谷兄弟】

ずるい 36 ページ37

「てめぇ、ざけんな！」


『ごめーん』





ゲボゲボと横でむせる竜胆。






私はてへっと可愛く上目遣いをし、竜胆を見るけど別に私の身長168だから可愛げもクソもないが、竜胆は顔を真っ赤にしている。






『竜胆って照れるんだね。』


「うるせ。」






ほら始まった。


言い返せなくなるとすぐうるせってゆーの。


そういう所ほんっとに可愛い。









『で、竜胆はどうしたい？』


「俺はお前のことが好き。」


『私は竜胆じゃなくて蘭がすき。』









にこにこと笑う私と不機嫌そう「あっそ。」と、呟く竜胆。








私は竜胆のネクタイを掴みぐいっと引き寄せ、軽くキスをした。








『つけ、今のでい？』



「ずるいデスネ」






私はすくりと立ち上がると真っ赤になる竜胆の方を見た。









『絶対蘭振り向かせるから。』


「卒業までに兄貴振り向かなかったら俺のとこ来いよ。」


『そんときは考えるかも。』









竜胆は悪戯にははっとはにかむように笑うと私の腕を引っ張りバランスを崩した私は竜胆の方に倒れ込むとぎゅっと強く私を抱きしめた。









「お前ほんっと性格悪い。」


『あはは。よく言われる。』


「でも好き。」


『うん。ありがと。』









あぁ。ほんっと、むくわれないね。竜胆。

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