ずるいじゃん【灰谷兄弟】

ずるい 39 ページ38

竜胆side




昨日の家に帰ると兄ちゃんが玄関に立っていた。




「リンドーってさ健気だよねぇ」


『あ？』




兄ちゃんはそれだけ言うとリビングに戻ってしまった。





健気ってなんだよ。





別に俺は兄ちゃんと違って一途なだけだし。








だが、朝起きてもその言葉が突っかかって朝からイライラしていた。





「竜胆ー、昨日はありがとね」



俺はイライラしてたし、かりもなんて、どうでもよかったけど『かりな。』と言ってしまう。







隣なのに椅子寄せてきて俺の隣わざわざ来るとことかそーゆーとこ好き。



可愛すぎかよ。





俺はAをぎろりとにらみつけるが、Aはカバンの中から愛用のタバコを取りだし『アメスピ吸う？』なんて聞いてくる。









こいつ教室で出すとか馬鹿だろ。



いやばかか。









俺はAのタバコを取るとAのカバンにぶち込んだ。お前が怒られると俺もセンコーに呼ばれんだよ。まじで。ざけんな。Aが赤点とった時もせんこーに呼ばれんだよ。







Aは俺がイライラしてる時に限ってしつこくベタベタしてくる。







ほんっとに気が狂うからやめてくれ。





俺はAの手を掴み教室から連れ出した。
Aの手を掴みAが待ってってゆってるのを無視して俺は屋上に連れていった。





いつものように日陰に座るとAが隣にちょこんと座る。ほんっとに可愛い。





『昨日言った俺が貰ってやるってやつ。ガチなんだけど。』





そういうと、Aは以外にも「で？」と答えた。




いや、好きなんだよ。

お前のことが。





俺がカバンの中にぶち込んだはずのアメスピをポッケから取り出すとAは当たり前のように咥えて火をつけた。




ああ、ほんとに気が狂う。




「お前の事好きなんだけど。」





そう言うと「知ってる。」と答えるA。






思わず『え？』と声が出てしまうのも無理もない。



いや、なんで知ってんだよ。









「蘭は私に振り向いてくれないけど私はね、蘭が好きで、竜胆は私の事が好き。それって竜胆も私も救われなくてめっちゃおもしいじゃん。」









お前ってそーゆー奴だよな






この状況をむしろ楽しんでやろうって精神








ほんっとに馬鹿で救いようがないけど









そんなAのことを好きな俺もだいぶ救いようがない。

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