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第3話 やりたい事 ページ4

リビングに入ると、母がさつきが食べた後であろう食器を片付けていた。



それを眺めながら、自席に着く。



「いただきます。」



挨拶をし、まずはサラダを口に運ぶ。
毎朝同じようなメニューなのに、飽きないのは何故だろうと最近は毎日考えている。



ただたんに、母のご飯が美味しいからなのか。
それとも、私が食事に対してあまり興味がないからなのか……。



答えのない謎を追求するのは、そう苦ではない。
割と、楽しい方だと思う。



やる事が、やりたい事がないから、そうなってしまうのだけど。



「さつきは偉いわよね。」



突然、私の前の席に座りテレビを見ながら母は言った。



「毎朝遅刻せず、時間通りに家を出て部活を頑張る。
大輝君を起こしにだっていくのよ?」



何を話すのかと思えば、さつきを褒めることだった。



それもそうか。
私は何もしていないし、部活にすら入っていない。



褒めることなんてないもんな……。



「Aは部活に入らないの?
何かに熱中するのはいいことよ。」

「部活か……。」



一年の時は、部活に入りたかった。



小学校の頃から部活に憧れていたし、何かに熱中するのはきっと楽しいだろうと思っていた。



でも実際、運動は苦手だから運動部には入れない。

吹奏楽部に入ろうとしたけど、体験入部ではどの楽器も音がです向いてない事が判明。

演劇部は、人前に立つ事が大の苦手な自分にとっては地獄でしかない。

美術部もマンガ研究会も、絵の才能が特にない奴が入っても迷惑なだけだと思った。



結局、入れる部活もなく、やりたいことも見つからず、部活には入らなかった。



「いいの、私は家でやりたい事に熱中してるから。」

「どーせ、勉強しかしてないでしょ。」

「いいじゃん、実績出してるんだし。」

「確かに、うちじゃ一番頭がいいわよね……。
そこはすごいと思うわ。」



そう、特にやりたいことのない私は家に帰ってからは基本的に勉強をしている。



定期テストでは学年順位で10番以内をキープしている。
我ながらすごいと思う。



もはや勉強が趣味……。



「つまらないな。」

「何が?」

「何でもないです、ごちそうさまでした。」



こんな自分を変えたいと思うのに、なかなか行動には移せない。

第4話 揺れる感情→←第2話 姉と私の朝は違う



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七瀬(プロフ) - Flower*さん» ありがとうございます!お気に入り作者も?!頭が上がりません……!ありがとうございます、頑張ります! (2017年10月27日 22時) (レス) id: e2cb3a14fd (このIDを非表示/違反報告)
Flower*(プロフ) - とても面白いです!なんとも語彙力のない表現ですが、文がとても綺麗です!お気に入り作者にも登録させていただきました。更新も受験も両方頑張ってください! (2017年10月27日 22時) (レス) id: 4d95f4e8a2 (このIDを非表示/違反報告)
七瀬(プロフ) - ミクロコスモスさん» ありがとうございます!私だってそんに文才ないですよ(汗)でも、ありがとうございます、とても励みになります! (2017年10月22日 13時) (レス) id: e2cb3a14fd (このIDを非表示/違反報告)
ミクロコスモス - この作品、すごく面白いです!!ファンになってしまいました!そんな文才が欲しいです……!えと、更新頑張ってください、応援しています! (2017年10月22日 11時) (レス) id: 917bdd96ab (このIDを非表示/違反報告)
ミカ(プロフ) - 分かりました、アドバイスありがとうございます! (2017年10月18日 22時) (レス) id: 21d4fb13d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:七瀬 | 作者ホームページ:ありませんわ  
作成日時:2017年9月23日 20時

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