そういうとこ ページ30
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「めちゃくちゃ不機嫌じゃん。席あのままにしとけば良かったわ。」
翌朝早朝。
Aと行く予定だったからあえて席離してたけど
不本意ながらメンディーとのふたり旅になってしまい、隣同士の座席へ変更。
離陸直後、俺の顔見ながらそう言ったメンさんは
着くまでに機嫌なおしてよって、イヤホンをつけた。
…まだ暗いな。
Aのアパートを出て自分の部屋帰って適当に準備して、シャワー浴びてからタクシーで空港へ。
一睡もしてないし、まあ飛行機の中で寝れるからいいんだけど
いや、今はそんなことどうでもよくて。
どういうわけか
Aの悲しそうな顔が、頭から離れない。
…妬いた…わけないか。
俺、そういえば何も連絡してあげなかったな。
遅くなるって
寝てたら怒るよって
言うの、忘れてた。
それなのにあいつ、ちゃんと待っててくれた。
明日も仕事なはずなのに、あのモコモコのパジャマでさ。
……そういうとこなんだよなあ
ああーって、ひとり項垂れた。
約10時間のフライト。
ほんとだったら、俺はこっからさ、斜め前に座ってるAのこと 見てたはずなんだよ。
こんな良い席、座ったことないでしょ、どうせ。
はしゃぐだろうな。
もしかしたら怖がるかも。
怖がりだし、A。すぐ泣くじゃん。
機内のwi-fi繋いでも、連絡なんてこない。
…いやべつに、わかってたけど。
「時差ボケやばい…」
「俺も…ちょ、玲於コレ持ってて。」
キツすぎるフライトを終え、二日酔いと時差ボケで死にそうになりながら手続きを終えた。
タクシーに乗り込み50分ほどかけて市街地へ。
その車内で、友達に連絡をしようとスマホを取り出した。
「…手凍ってて文字打てない。」
「いやほんとに寒すぎ……てか、そういえばめっちゃ可愛いじゃん玲於の彼女。」
「は？」
突然の話題に、メンさんを見上げる。
彼女？おれの？
「昨日ほら、飲んでるときにさ、玲於ひとりで彼女の写真見てたでしょ。」
「……。」
「酔ってたから、携帯落としてさ。みんなで鑑賞した、可愛いじゃん一般の子なのに。」
「……え、嘘でしょ？」
「え？笑」
「…俺寝てた？」
「うん。」
「……見たの？彼女。」
「見た。笑」
……ありえないよ、マジで。
メンさんだけならまだしも(実は前にも会ったことあるし)
あの場には龍友くんや初対面の女の子もいたのに。
…なんだろな、この感じ。
ずっと大事にしてた宝箱を、勝手に開けられたみたいな。
べつにいいんだけど、なぜか悔しい、感覚。
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mugi(プロフ) - 自分に重なることが多すぎて、感情移入どころではなかったです。素敵な作品いつも有難うございます。 (2019年11月18日 10時) (
レス) id: 4db51b5e5d (このIDを非表示/違反報告)
ゆいあ - きなこさんの作品大好きです！ (2019年11月3日 18時) (レス) id: a624d1b453 (このIDを非表示/違反報告)
_myprince8(プロフ) - きなこさんの作品全て好きです。完結まで結びますように！っ (2019年11月3日 10時) (レス) id: bca9b2866b (このIDを非表示/違反報告)
ゆうか(プロフ) - 私最近の玲於くんの大人っぷりに寂しいって感じてしまい玲於くん見るの少し離れてたんです。だからきなこさんの思ってること同じで嬉しくなりました。今はちょこちょこ玲於くんを応援してるつもりです。笑1日の終わりに読むきなこさんの作品いつも楽しみです！ (2019年11月3日 1時) (レス) id: f500b029ae (このIDを非表示/違反報告)
も。(プロフ) - きなこさんの作品の中で一番好きです。人間味があって執着する玲於ちゃんや空回りながらも同じ思いの主人公ちゃん、すれ違いがもどかしいけど読み応えがあって本当に好きです。完結まで頑張ってください！ (2019年11月2日 9時) (レス) id: db66c21382 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：きなこ
| 作成日時：2019年10月10日 22時
