お調子者２号【宮地清志】

( 26 )ちょっとだけ。 ページ27

A「美味しい…」

高尾「だろ〜？」

A「和成が作ったわけじゃないでしょ。
これは宮地さんに教えなくちゃ」



平日のせいかそこまで並ぶこと無くわりとすんなり入ることが出来た。

やはり予想通り、周りにはカップルだらけ。
友達と来ているところもあるが、男子だけで来ているところは見当たらない。



A「んで、これは和成の奢りだよね？」

高尾「え゛っ」

A「あれ〜？あんだけ勉強教えてあげたのは誰だっけ〜？」

高尾「Aサンです奢ります」



最後の一口を食べ終わり大満足。

「俺今月残りギリギリじゃん…」と項垂れる和成を横目に笑顔で店を出る。



A「じゃあこのままストバスコート行こっか。
私じゃ相手にならないかもしれないけど、眼に関しちゃ相手にはなるでしょ」

高尾「まじ？」

A「誠凛さんに和成よりは狭くとも和成より頭の冴えてるイーグルアイの持ち主が居るからね〜」



ストバスコートは家を通り過ぎての場所にあるので、ついでに家に帰って着替えて行く。



A「っと、体育以外かも」



と言いながらボールを指先で回す。
「お前それ昔出来なかったよな」と言われたが、ロス行ってる時にバスケを見ながらボール触っていたのでできるようになった。

もうすぐコートに着くかなと公園の前を通った時だった。



「私と…っ、付き合ってくださいっ！！」



思わず和成の頭掴んで座り込んだ。
植木で見えてはいないと思うが、公園の中、木の下で告白現場。



高尾「なんだよ…ってあれ」

A「馬鹿！声が大きい！！」



惚けている和成に小声で返す。

そう、私達が見たのはただの告白現場ではなかった。



宮地「あー…」



まさかの告白されていたのは宮地さん。
相手の女の子はまぁ可愛らしい。

何故下校時間からこんなにも時間が経っているのにここに居るのかは分からないが、それよりも私は別のことが気になった。



ちょっとだけ心臓にきただけ。

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