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歌い終わり、子供達も駆け回り聴いてくれていた人もちりじりになったところで
沖田総悟の様子を伺う。
今度は邪魔しないように隣にすわった。
起きるまで歌詞でも書いていよう。
睡眠妨害の謝罪をするために。
曲ノートと鉛筆を取り出す。
「こんな天気に失恋ソングなんざ聴かせんじゃねえ。折角子守唄でも聴きながら寝ようかと思ったのに。」
「ごめんなさい!なるべく静かな曲を選ぼうと思って…」
「似合わねえ歌歌ってんじゃねえ。」
今の悩みのタネをズバリと指摘され恥ずかしい気分になる。
「ろくに恋愛もしたことないガキが、」
アイマスクを上にずらし、私の顎を掴んだと思えば、
彼の鼻がかすりそうなくらいの距離に近づけられる。
「恋だの愛だのほざきやがって。」
近くで発せられる低い声に背筋がざわついて、
心臓が全力疾走した後のようにうるさい。
「こんなんで赤くなってらァ。」
鼻で笑って消えた沖田総悟の背中をただ追っかける。
何も頭が働かない。
両手で頬に触れればすごく熱くて、沖田総悟が言ったように顔が赤いのが分かった。
「え、私…どきどき、した。?」
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作者名:wake | 作成日時:2019年3月23日 17時