お姉ちゃんはあたたかく見守る ページ6
「ほら、これ使いなさい。」
アタシは自分の携帯を操作して、みかちゃんに手渡した。
表示されているのはAちゃんの電話番号とメールアドレス。
「んえ、なるちゃん、なんで…」
みかちゃんは、なんでAちゃんの連絡先を知っているのか、と言いたいらしいけど、言葉にならずに口をパクパクさせている。
「んもう、この間会いに行った時聞いたに決まってるでしょう?ほら、そこのボタン押せば電話かかるわよ。」
「う、うん…」
みかちゃんは頷きはしたものの、決心がつかないようでなかなかボタンを押さないのがじれったい。
「……………えいっ☆」
待ち疲れたので、手を伸ばしてボタンを押してみた。
「んあっ!?」
コール音が3回鳴るとプツッと電話がつながった音がして「もしもし?」と控えめなAちゃんの声が聞こえてきた。
ほら、と小声でみかちゃんを後押しする。
「うぅ……も、もしもし、Aちゃん?
…そう、おれ。
…うん、なるちゃんの携帯。
…あ、あんな、Aちゃん?
んっと…おれとAちゃんって、その…お付き合いしてる…って思ってええんかな?
………そうなんよ!Aちゃんもそう思ってたん?
…うん。うん。いや、あの、こちらこそ。
あ、せや、なるちゃんからAちゃんのメールアドレス教えてもらってもええ?
…ん、そっか。
じゃあまた後でな。うん、ごめんな、いきなり。」
みかちゃんは電話を切ると、アタシに携帯を返してきた。
「おおきに。」
「どうどう?何て言ってた?」
「Aちゃんも仲直りできたことにばっかり考えが行ってて、付き合うとかそういう段取り気にしてなかったって。そんで…『お付き合いしてください』って。」
みかちゃんはもう耳まで真っ赤だ。
Aちゃんはこうと決めたら腹を括れるタイプなのかしら?意外と積極的ね!
ああ、やっぱり恋バナっていいわあ…!
「それでそれで?Aちゃんの連絡先、許可貰ったならメールで転送するわよ!」
「いや、それが…『直接交換したいから』って…」
な、なにそれ!
可愛い、Aちゃんもみかちゃんも可愛すぎるわ!!!
「みかちゃん…Aちゃんのこと、大事にしなさいよ…!」
「う、うん。…?」
みかちゃんは突然ガシッと手を掴まれて驚いていたが、アタシはそんなこと気にもせず、手には力がこもったままだった。
(ああ…恋愛って良いわねえ…!)
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milena(プロフ) - カムイさん» コメありがとうございます!お褒めの言葉嬉しいです!これからも可愛いみかちゃんの話を思いつきましたらこちらに書くつもりですので是非また読んでくださいね。 (2017年7月1日 23時) (レス) id: ec31ce329b (このIDを非表示/違反報告)
カムイ - メチャ面白かったです!みかちゃん可愛かったです〜♪みかちゃんすごい好きなんですけどもっと好きになりました!こんなに素晴らしいお話を考えられるってすごいと思います! (2017年7月1日 11時) (レス) id: 93936313e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:milena | 作成日時:2017年3月16日 20時