エンドロール ページ14
喫茶店を出るころにはすっかり日は陰っていた。
「お師さん、おれ、Aちゃん送ってくる！行こ、Aちゃん。」
影片くんが私の手を握った。
「うむ、遅くならないうちに帰るのだよ。」
「Aちゃん、今日は楽しかったわ。またおしゃべりしましょうね。」
二人がそれぞれ別れの言葉を口にする。
「うん！宗さん、モアちゃん、さよなら！」
会話をしているうちに、『お師さん』のことは『宗さん』、マドモアゼルのことは『モアちゃん』と呼ぶようになった。
『お師さん』は影片くんから聞いていたよりももっと不思議な人だったし、会ったことでより謎が深まった気がするけれど、影片くんが慕ってる人がどんな人なのか分かったし、会えて良かった。
「楽しかった〜！」
「せやなぁ。」
私に相槌を打つ影片くんの声は少し元気がない。
ライブの後だから疲れてるんだろうか。
「影片くん、疲れた？ごめんね、ライブ終わってすぐなのに長話しちゃって。」
「んあ、大丈夫、疲れてへんよ。ただ…」
「ただ、何？」
「…お師さんが羨ましいなって。Aちゃん、お師さんのこと名前で呼んでたやん？」
照れ隠しのように繋いでいない右手を口元に持って行く影片くん。
「え…でも影片くん、自分の名前あんまり呼ばれたくないって言ってなかった？」
「ん…それとこれとは、別。」
そういえば今まで特に疑問を持つこともなく名字で呼び続けていた。
言われてみれば、付き合ってるのに名字で呼んでるのも他人行儀かもしれない。
「…み、みかくん。」
頬を赤くしたみかくんの顔を見ないように歩く方向を見たまま、できるだけそっと呼んでみた。
直後、恥ずかしさがMAXに達した私たち二人は同時に顔をお互いがいない方に背けた。
が、手汗がうっすら滲む手だけはしっかりと繋がれたままだった。
終わり
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milena(プロフ) - カムイさん» コメありがとうございます！お褒めの言葉嬉しいです！これからも可愛いみかちゃんの話を思いつきましたらこちらに書くつもりですので是非また読んでくださいね。 (2017年7月1日 23時) (
レス) id: ec31ce329b (このIDを非表示/違反報告)
カムイ - メチャ面白かったです！みかちゃん可愛かったです〜♪みかちゃんすごい好きなんですけどもっと好きになりました！こんなに素晴らしいお話を考えられるってすごいと思います！ (2017年7月1日 11時) (レス) id: 93936313e3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milena | 作成日時：2017年3月16日 20時
