赤井さんの想い人は工藤新一の双子の姉【探偵たちの鎮魂歌】

２８話 ページ29

割れた窓に貼りつけてあるビニヤ板をはがして隙間を作ったコナンが中に入ると、服部と昴はベニヤ板を足でぶち破った


白馬「君たちは少々野蛮だね」


昴「開いてたんですね、そのドア」


服部「気づかんかったわ」


探はそう言うと、階段に向かって歩いた
コナンたちも後に続く


電気が止まっているビルの中は薄暗く、窓から差し込む夕日が唯一の明かりだった


白馬「殺害されたのは西尾正治。ファー・イースト・オフィスの営業部長。ライフルで狙撃されたらしいよ。社長の伊東とは大学時代の同級生」


階段を上りながら、探は手帳に書きとめた殺人事件の詳細をコナンたちに伝えた


服部「西尾も犯罪研究会におったんとちゃうか？」


白馬「ご明察。来たまえ」


探は夕日が差し込む踊り場で膝をつくとどこからか携帯電話を取り出し、ボタンを押した


服部「来たまえって、おい！それ、オレの携帯やないか！いつの間に！」


平次が慌てて自分のポケットを探る


白馬「見たまえ」


携帯の画面に表示されたのは＿＿＿部室で撮った昔の集合写真だった


白馬「この写真の最前列、中央にいるのが当時部長だった伊東末彦、その右隣が殺害された西尾だよ」


部室で探が当てずっぽうに指差した長髪の男が西尾だった

真面目そうな伊東の横で、大きな顔をして写っている


コナン「……ねぇ、伊東さんの左隣の女の人は？」


コナンは伊東の横で微笑む巻き髪の女性を指差した


白馬「ああ、その女性は清水麗子。彼女もこのオフィスに勤めていたらしいけど、彼女は五月十五日に自 殺しているよ」


四人は驚いて顔を上げた


昴「自 殺ですか？」


白馬「警察から任意で事情聴取を受けている期間中にね」


服部「……西尾の射殺事件のことでか？」


白馬「かなりキツく取り調べられたらしいよ」


探の報告に、コナンと昴は険しい表情で窓から見える夕空を見つめた


服部「ここが、その狙撃事件の現場……」


探に連れてこられた部屋は、正面に大きな窓があり、閉められたブラインドの隙間から赤く染まった光がこぼれていた

窓に背を向けておかれた重厚なデスクの前にはソファセットやカウンターバーまで設置されている


昴「少し埃をかぶってますけど……」


服部「事件当時のまんまみたいやな」


コナンと服部と昴、探に続いて、部屋の奥へと進んでいった

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