第26Q:赤い瞳 ページ29
帝光中学校バスケットボール部。
百戦百勝を掲げるそのチームで歴代最強の年
それが、虹村が主将をつとめ、赤司征十郎が副主将の時期だった。
虹村修造、赤司征十郎、青峰大輝、緑間真太郎
紫原敦、黄瀬涼太、灰崎祥吾、
マネージャーの桃井さつきと天神A
そして、幻の6人目 黒子テツヤ
彼らがいた日々はキセキのような毎日で
その全てが光り輝いていた。
しかし____
____ 「Aさんのその目には利用価値があります。帝光の勝利にはあなたが必要ですよ」
その赤い瞳で操られるように行うバスケには何も価値がなかった。彼にとって自分は仲間ではなく、もはや使い勝手のいい道具。使えなくなったら捨てられてしまう。捨てられたくなくて彼らの役に立つ。そんな日々が嫌だった。
しかし、天神は虹村に助けを求めたくても
彼の事情を考えれば何も口に出せなかった。
それから見てきたものは
涙を流しやめていく帝光バスケ部のメンバー
絶望しきった対戦校選手の顔、
大差があるスコアボード·····
キセキのような毎日は燻ってしまった。
____「正直、Aちんのデータとか要らなくない?」
「Aさん、その目に僕達の全てを焼き付けて下さい」
彼らにとっては些細な冗談でも
天神にとったらその全てが忘れられない記憶となる。特に、紫原と赤司をみてしまえば、
要らない全てを思い出しそうで天神はいずれくるその日に怯えた。
最後にみた 【11-111】のスコアボード。
__『修造、私たちのバスケは間違ってたのかな?』
虹村と作り上げてきた キセキの世代は
黒く黒く塗りつぶされた。
『ハァハァハァ.......』
天神の前に広がるは合宿場の部屋と静かに打つ波音。
『·····いやな夢』
こんな過去がもし、ただの夢ならば良かったのに。 何度そう願ったことか。
心をおちつけるために、天神はそっと部屋を出た
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作者名:水無瀬。 | 作成日時:2020年1月3日 15時