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いよいよフィオーリファミリー襲撃が明日に差し迫った時、私は十四松さんに招かれある部屋に案内された。
どうやら明日に向けて宴会をしてるのだそう。
ガチャリとドアノブを回し恐る恐る扉を引くと、早くも誰かの叫び声が耳を勢いよく通り抜けた。トーンからしておそ松さん。
「うわ、地獄絵図……」
彼らは本当に20代男性なのだろうか。
全裸で相撲をとる姿は見るからに幼稚園児。
なんて考えた瞬間、その全裸松さん……じゃなくて、おそ松さんが体ごとこちらを向いた。反射的に私は目元を両手で覆い、極力下を見ないようにする。
「おお!? Aじゃんこっちこいよ!」
なんか誘われてるー!
ぶっちゃけるなら行きたくない。
けれどこれも親睦を深めるため、致し方ない。
「おそ松さんはもう少しで嘔吐するので私にあまり近寄らないでくださいね」
「え? え? なに?」
「近い近い顔近い!」
「Aちゃん一緒に飲もうよ!」
後方からまたまた呼びかけ。
振り返ると、おそ松さんと同じく完全に出来上がった様子のチョロ松さんがいて。
シラフのときは女性への免疫が無いせいで、私に対してもどこかよそよそしいというのに、アルコールが入った今はその面影も無い。
「にゃーちゃーん!」
「私はにゃーちゃんじゃありませんよ?」
「うっそだー! こんなにそっくりなのに?」
「チョロ松さん、それ私じゃなくてカラ松さんです」
白目をむいて意識を失ってしまっているカラ松さんを掴み上げ、チョロ松さんは何度も「にゃーちゃん!」と情け無い声を上げる。
私が部屋で休んでる間になぜこんなことが……。
「おいA……お前も飲めよ」
一段と低い凍りつくような誘い。顔を確認しなくてもわかる、一松さんだ。言わずもがな泥酔していた。
「いえ、結構です」
「俺の酒が飲めねぇってのか!?」
「うわ面倒臭い……」
「ゴミって呼んでくれよ! なぁ!?」
「情緒が不安定過ぎですね!」
「その足で踏んでくれ!」
思考回路がショートでもしてしまったのか、もう見てるこっちが悲しいほどに狂った一松さんは私の足元で土下座する。
そして動かなくなった。
「あ、寝てる」
……ていうか皆、お酒に弱すぎやしないか。
「Aちゃーん! ホームランを打ってみせるからね!」
──はい?
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霧雨。(プロフ) - おそ松がいいです!! あと、この小説とてもおもしろく、毎回楽しく読ませて頂いてます。更新頑張ってください!! (2016年3月7日 22時) (レス) id: 284b3cefde (このIDを非表示/違反報告)
前夜祭(プロフ) - オチアンケおそ松かカラ松希望です! (2016年3月7日 16時) (レス) id: 6606c6a7c9 (このIDを非表示/違反報告)
彩音 - おそ松がいいですー! (2016年3月7日 6時) (レス) id: 4e296d3f49 (このIDを非表示/違反報告)
ルウルウ(プロフ) - オチは一松でオナシャス!あ、でも全松見てみたいかもです…w (2016年3月6日 23時) (レス) id: b3bf073a55 (このIDを非表示/違反報告)
沼の門番松(プロフ) - んー出来れば全松バージョン作ってほしいんですけど、大変だったらチョ、チョロ松を…お、お願いします(OvO) (2016年3月6日 16時) (レス) id: 74d4b89a29 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アオト | 作成日時:2016年1月24日 10時