Love T-Rain【Kaz・N 0617BD/2014】 (ページ4)

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4両目ページ4

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高校3年生の今、受験生の私は学校の後は大抵予備校に通う。

授業が終わった後に質問してたら今日は遅くなっちゃった。

季節は梅雨で

でも今日は雨も降らず少し風がある気持ちのいい夜だった。

少しの風に揺らされる髪の毛を抑えながら音楽を聴こうとポケットからイヤホンを出す。

どの曲にしようかなと思いつつ何気なく顔をあげた…ら

………その人がこっちを見て立っていた。

えって思う

なんでって

その人はちょっと笑いながらこっちに近づいてきて

「朝、よく会うよね？」

まるでわんこみたいな瞳で話しかけてきた

「………は、はい」

急に、ほんとに急に話しかけられて心臓がドキドキ踊る

「なんでこんな時間にいつもの駅じゃないここにいんの？

って俺怪しい人みたいか？」

笑いながら話しかけてくる

「予備校がこの駅なんです」

この人こんな声なんだ

思ってたより低い声

「あーあるね、でっかいのが」

「(笑)それです、でっかいの」

私、ちゃんとしゃべれてるかな

「へー、受験生なの？大変だな」

「あの、どうしてここに居るんですか？会社ここなんですか？」

「あ、俺？そうそうこの駅なの」

知ってか？って言って教えてくれたのは聞いたことのある製薬会社だった

「わーすごい」

「なにがスゴイかわかんねーぞ、その日本語」

ちょっと顔を下にむけて可笑しそうに笑うその人から目が離せなかった

ほどなく電車がホームに入ってくる

２人で乗り込む車内

その人は一つ空いている席の前で

「座れば？」

「えーいいですよ、私の方が若いですもん」

「いくら俺がおじさんでもさすがに女の子立たせて自分が座れないだろーが」

ほれって顎をちょっと上げて座るように言う。

「ありがとうございます」

「そのかわり俺のカバン持って」

その人はイタズラっぽく笑って黒いカバンを膝に乗っけてきた

大人の男の人とこんな風に話すのも初めてで

ましてやその人のカバンを持つなんてことも初めてで

どうしていいかわからなくて１人でドキドキして

取りあえず落とさないように自分のかばんの上にそれを重ねてぎゅっと持った。

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