じゅーし ページ15
『まーた倒れたの?今週何回目?』
「さぁ、いつもありがとな〜、Aちゃん。」
廊下を歩いてたらまた倒れていた。
そのたびに私が保健室に運んであげている。
『まったく、』
よく今まで生きてこれたな、奇跡じゃん。
「なぁ、Aちゃんって好いとる悪魔とかおるん?」
そっか、これくらいの男子ならこういう話題が好きなのか。
よくお妙さんからも聞かれるんだよな。
ーーーー
回想
「気になったのだけれど、Aちゃんは好きな人とかいるの?」
『何ですか?いきなり。』
「だってAちゃん新撰組所属でしょう、男まみれの所に居るんだから好きな人の一人や二人いるんじゃないの?」
『いや、別に、』
「あっ、分かった!沖田さん?」
『えっ、いや、違います!!』
「図星?いつも一緒にいるもんねぇー。」
『そりゃああいつと同じ一番隊にいるから!』
「どうかしらねぇ。」
『違いますからね!?』
ーーーー
最悪の思い出だ、変な勘違いをされてしまったし。
内緒にしてあげるとか言ってたけど本当にあいつとは何もないわけだし。
「……おるん?好きな悪魔。」
私が少しボーッとしてたのに気になったのかこちらを凝視するキリヲくん。
『いるわけないじゃーん、そういうキリヲくんはいるの?』
「おるよ、でも多分その子好きなやつおるっぽいけど。」
『へー、誰なの?教えて教えてー私達の仲じゃん。』
「そやな、ええよ、じゃあもうちょっとこっちに寄ってくれへん?」
ちょいちょいと手招きをするキリヲくん。
内緒話か、いいね、学生っぽい。
彼に近づきベッドに膝を乗せる、耳打ちするような体制を取る。
すると私の肩を掴んでベッドに押し倒した。
『ん?あのー、キリヲさん?どうしました?』
「駄目やろ、そう簡単に男に近づいたら、な?」
微笑みながらそう言う彼はいつもの彼と別人に見える。
私の体に馬乗りになり見下ろす彼。
『あーキリヲくん、一旦離れようか、この体制は非常にまずい。』
「そう?でもAちゃん僕の好いとる悪魔気になるんやろ、教えたげるで。」
いやもうどうでもいいよ、それよりこんなとこ見られたら誰かに勘違いされる。
今保健室には私とキリヲくんだけ。
手を絡めてきた、押し返そうと思えばできるが一応病人だから気が引ける。
「ここまですれば分かるやろ?」
『さぁ、何のことか。』
「じゃあもっと分かりやすく教えたげるで。」
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ルウ(プロフ) - 天音さん最高ですよこの作品!(´✪.✪`)キラキラ (10月9日 0時) (レス) @page14 id: e1051b8db4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天音 | 作成日時:2023年9月18日 22時