もう笑わないで ページ7
遅れて頬にくる鈍い痛み。
一瞬、何が起こったのかわからなかった。
私も、キセキも、先輩も。
里帆以外は。
「Aなんて大っ嫌いッ!!!もう知らないよっ!」
青峰君をキャラとして見ている私と、一人の人間として見ている里帆。
その差はとても開いていて、今更理解なんか必要なかった。
里帆が体育館を飛び出す。
『大っ嫌いッ!!!』
里帆の言葉が何度も頭の中でリピートされ、私はもう何も考えられなくなった。
力なく床に座り込む。
ああ、コーチや監督がいないだけまだよかったな。
「Aっち!」
駆け付けてくれた黄瀬君に目を向け、大丈夫だよ、と言えない変わりに微笑んだ。
*
ねえ、
なんで君はそんなに哀しそうに笑うの?
「Aっち……」
もう笑わないで。
そんな顔して笑うくらいなら、もっと泣いて。
オレを頼って。
「……私も、行かなきゃ…」
「井町っちのところ、っスか?」
「里帆に謝らないと…」
オレの腕を振り払い井町っちと同じように体育館を去っていったAっち。
その後の体育館は、妙に静かだった。
「黄瀬、」
「ごめん赤司っち。ちょっと、抜ける許可もらえないっスかね」
「黄瀬君…?」
いいよね、青峰っちには追ってくれる人がいて。
Aっちは井町っちを追いかけた。
なら、誰がAっちを追いかけるの?
そんなの、オレしかいないっしょ。
「…ああ、許可しよう」
「ありがとう」
ずっと近くで見てきたんだから。
ずっと助けられて来たんだから。
今回は、オレに守らせてよ。
560人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「黒子のバスケ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
みずあいす - 翔ちゃんLove!さん» おおおおお。なんか最近誤字が多いです。頑張ります。応援よろしくお願いします! (2016年10月20日 20時) (レス) id: 94c5760bdb (このIDを非表示/違反報告)
翔ちゃんLove!(プロフ) - 次回予告の体育祭の字が、“再”になってますよ!このシリーズ大好きです!ゆっくりで良いので、更新頑張ってください! (2016年10月20日 19時) (レス) id: 00dbec14b0 (このIDを非表示/違反報告)
みずあいす - ‡setokano★黄瀬灰崎愛し隊No.0‡さん» ありがとうございます! (2016年10月20日 17時) (レス) id: 94c5760bdb (このIDを非表示/違反報告)
‡setokano★黄瀬灰崎愛し隊No.0‡(プロフ) - “やんか気づいちまった” 誤字ありました! (2016年10月19日 18時) (携帯から) (レス) id: 20e66ae414 (このIDを非表示/違反報告)
みずあいす - セイさん» この作品が一番好きですか!ありがとうございます!意外です。これは私が占ツクに戻ってきて(一時期離れてた)一番始めに書いたので、特別です。少し独占欲の高い夢主となっております。 (2016年10月19日 17時) (レス) id: 94c5760bdb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みずあいす | 作成日時:2016年4月16日 13時