【黒子のバスケ】愛しているから閉じ込める【赤司征十郎】

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仕事が早めに終わり、お母さんの所へ来た。
お花を買って、買ったお花を添える。


「お母さん…どうしよう……」

とお母さんの前にしゃがみながら言う。
お母さんが亡くなったのは私が小学六年生の時。

原因は逃走車との衝突事故。


私の親代わりだったのは母方のお祖母ちゃん。
そのお祖母ちゃんも私が高校生の時に亡くなった。


「また征十郎さんを傷付けちゃったみたいなんだ……」

私にその記憶もない。
感覚もない。

何も覚えていない。

覚えているのは寝る前後の記憶。


「どうしたら治るんだろう……私もう分からないよ……」

精神科にも通ってる。
精神安定剤を貰うのとカウンセリングだけ。

征十郎さんが嫌いなんじゃない。
寧ろ愛してる。


なのに２年経っても治らない。

まだ征十郎さんを信じきれていないのかも知れない、と医師にも言われた。


征十郎さんはお父さんと違う。
それは分かっているつもりなのに。


「征十郎さんね、凄くいい人なんだよ。こんな私を捨てないで、一緒になって考えてくれるの。時々呆れた様な顔をするけど笑ってくれるの」

凄くいい人でしょ？、とお母さんに聞く。
返事は無いけれど。

何かあればこうやってお母さんに報告しに来る。

征十郎さんなんて此処で頭を下げてまで結婚の報告をしてくれた。


「お父さんとは全然違うね」

と言って笑った。

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