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「気合い入れてけよ!!」
「「「「はい!!!」」」」
四月ももうすぐ終わる頃。春の大会はあっという間にやってきた。
新一年生も入れた新チーム新体制で行う初めての大会に、先輩は勿論一年生も気合いが入っていた。
「この大会終わったら次夏かー」
チームの指定休憩場所でゼリーを吸いながらルナが言った。
早いもので入学してからもう一ヶ月が経とうとしていた。
「夏は総体だね。その頃にはスタメンかなり変わってると思うよ」
「そうかな?あたしもレギュラー入れる!?」
「ベンチは入れると思う」
「おい、そこはお世辞でもスタメンいけるよって褒めろや」
ふふふ、と談笑していると不意にエナメルバッグが震えた。
中に入っていた携帯にメールが来たようで、携帯を取り出して確認するとクラスメイトのユミコから『試合頑張れ』と可愛い絵文字とともに送られていた。
「誰?彼氏?」
「ううん、同じクラスのユミコ」
「あー、タケダさんか」
「そそ」
御幸くんとはメルアド交換してないの?ルナが携帯から目を逸らして言った。
「交換なんてしてないよ!そこまで親しくないし」
「えー!その割にはよく喋ってるし仲良いじゃん!交換しなよ!」
「御幸くんはあんまり人と喋らないタイプだからね、私とは席近いからたまたまだよ。メアドは交換する理由がない」
「まー、それもそうか」
したところで喋ることないし。
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作者名:ららら | 作成日時:2019年10月27日 2時