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御幸くんは顔がいい。所謂イケメンである。
それはつまりモテる男であるということだ。
本人曰く「もう数回は告白されてる」らしい。
ーーちなみに私はラブレターも告白もされたことはない。
「富永さんって御幸君と付き合ってんの〜?」
女子トイレの隅。高圧的な女子数人が私を壁に追い詰めて御幸くんとどういう関係か、と言うのを聞いてくる。
彼女たちは御幸くんのファンか何かだったりするのだろうか。
「私は」
「ここハッキリさせよ〜?」
ハッキリさせるもなにもただのお友達です。
ここは正直に友達だと言って引き下がってもらおう。
「付き合ってません。お友達です!」
ハッキリさせました。
すると、高圧的な女子達はぽかーんと口を開けて「……まじで?」と言い放った。
マジですけど。
「てっきり付き合ってんのかと思ったわ〜
なーんだ収穫ゼロ?」
「まぢかつまんねー」
「つーかお友達って、御幸一也友達出来たのかよこれ成長ぢゃん」
あれ?思っていたのと違うぞ。
私はあたふたして女子の顔を交互に見ているとぷっ、と笑われた。
「富永さんなんか勘違いしてる?」
「えっと…」
「うちら御幸なんか眼中ないから安心して〜!普通に2人のカンケー気になっただけだし!つーか御幸陰キャぽくね?付き合うなら断然倉持!」
「ウチは三年のーー」
ま、待ってくれ。話に追いつけないぞ。
つまり別に怒られるわけでもなくただこの人達の好奇心に付き合わされただけということで合ってるのか?
「はぁ、びっくりしたぁ…てっきり私の御幸くんに近付かないでって怒られるのかと…」
「いやいや御幸は顔だけっしょ」
「それなー、野球が彼女ですって感じだしね〜」
彼女たち、言いたい放題である。
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作者名:ららら | 作成日時:2019年10月27日 2時