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運動部に入部すると必ずついてくるのが"試合"と"大会"だ。
バレーボール部に入部した私は勿論どちらも回収し、これから行われる地区大会に向けて皆で頑張っている。
「一年生はボール拾いからなのにAはスタメンだから免除って……ズルいよぉ…」
「私もボール拾いしようか?」
「冗談だよこのスポーツ推薦め!!」
ボールを抱えたルナにビシッと言われてしまい苦笑した。
「おーい富永さんこっち来てポジション確認するよー」
「はーい!」
*
「わー、御幸くん頑張ってるじゃん!……A?」
「え、あぁうん。凄いよね」
部活終わりに野球部でも見て行くか、とルナが言い出したので何となく了承して着いてきた。
「御幸くん一年なのに先輩と張り合ってるのすごすぎ」
「ごめん、どれが御幸くん?」
「はぁ?さっきテキトーに返事したな〜?ほら、あれだよ。防具つけてて…あ、こっち見た」
え?、と視線をさまよわせ、漸く一人の男子がこっちに手を振ってるのを見つけた。
あぁ本当だ、よく見たら御幸くんだって分かる。
「Aに手振ってんじゃん?振り返してあげなよ」
「え、えぇ〜…が、頑張れ御幸くーん!」
ルナに急かされるままぎこちない笑顔で手を振って応援すれば、御幸くんはちょっと固まったあと笑顔を見せてくれた。
「御幸くんやっぱり顔いいよね」
「Aも顔いいよ」
「あ、ありがとう?」
野球部はまだ練習を続けるようで、御幸くんはガタイのいい先輩に引っ張られてどこかへ消えてしまった。
フェンス越しだったけど、彼が元気そうに部活をやっているのを見て少し嬉しくなった。
「帰ろっか」
「うん」
グラウンドを後にした私達は帰路に着きながら野球部って大変そうだね、と話した。
「寮で生活してるらしいよ、御幸くん」
「へぇー」
「私も寮が良かったなー!家遠いし!!」
そうだね、楽そうだしね。
そう言うとルナに「アンタは家近いでしょーが!!」と怒られた。なんでぇ…
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作者名:ららら | 作成日時:2019年10月27日 2時