【あんスタ】転校生と愉快すぎる仲間たち。（２） (ページ30)

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七種の冷酷な狂気。ページ30

__「3勝0敗で自分の勝利であります！！」

勝負が終わり、休憩がてら裏庭に来た私達3人。

結局あの後輪投げとスーパーボールすくいをして全て七種の勝利となってしまった。
これには敬人も落胆してベンチで頭を抱えている。

『敬人も頑張ってたと思うよ…』
「……」

駄目だ。声を掛けても聞こえていない。

「Aさん、此方の景品をお受け取り下さい！」
『あぁ、ありがとう…。』

落ち込む敬人を横に景品が入った大きな紙袋を七種に渡された。
中にはお菓子やぬいぐるみ等が沢山詰め込まれている。

「今回の勝負で明らかになったでしょう。Aさんに相応しい男は自分なんです。」
「……」
「Aさんもそう思いませんか？」

敬人から目線を外し私に話を振ってきた七種。
わざわざ敬人の前で言わせようとしている魂胆が見え見えだ。
なんて性格の悪い奴なんだろう。

『…景品もそうだけど今日は来てくれてありがとう、大事にするね。
敬人、そろそろ戻ろう。もう集合時間近くなって来たよ』

あえて七種の問いには答えずお礼だけ伝え敬人に話し掛ける。

「あっはっは！自分、嫌われてしまっている様ですね！
まぁ否定はしませんよ！嫌われて同然な事を貴女にしてしまったので☆…ですが」

グッッ！！

『痛…っ！』
「逃がしませんよ、A。」

隙をついて右手首を骨が軋む程掴まれ身動きを封じられる。
そんな彼の瞳は氷より冷たく狂気を滲ませていた。

「！？貴様、何を」
「負け犬は黙っていて下さいよ。」

ベンチから立ち上がった敬人に冷たく言い放つ。
言い返せない敬人は唇を噛んで俯くだけ。
これには私も反論できない程七種が怖く、何も言い返せなかった。

何なの、この圧は…。
こんな奴怖くないはずなのに足が震えて言葉が出ない。

「…随分従順になりましたね？
ようやく自分の置かれている「立場」という物を理解したんですか？Aさん。」

満足そうに微笑むと頬に手を当ててきた七種。
そして顔を近づけて来るー。

こんなやつに私のファーストキスを奪われるのは嫌！！！

『離して！！！』

ドンッ