【あんスタ】転校生と愉快すぎる仲間たち。（２） (ページ18)

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目分量大好き敬人さん。ページ18

『…敬人ってこんなに不器用だったの？』
「…悪い、この類は本当に苦手で…」

あれから1時間、敬人はずっとお菓子を作り続けまともに作れる様になったのは「敬人の度し難い抹茶パフェ」だけだった。

まぁそりゃそうだな。
ぶち込んで盛り付けるだけだもんな。猿でも出来そう。

「ボク、もう食べられない…。」
「これは酷いネ。味はともかく見た目が悪すぎル。」
「うっわぁ…これはまた凄いですね…」
「敬人くん…。」

皆して調理台に並べられた数々の失敗作を溜息をついて見つめる。

石炭のパンケーキ、原型を留めていないゲロみたいなプリン(？)、破れて中のクリームがはみ出しまくったクレープ…
数え切れない程の失敗作だ。
味だけはいけるのもあれば味も見た目も最悪な物もある。

「…すまない…。足を引っ張ってしまって…」

これには敬人も申し訳なさそうに眉を下げる。

班の人数が少ない為全員必ずお菓子は作らなければならない。
だから敬人にお菓子作りをマスターして貰う他方法は無い。

『…敬人、ちゃんとレシピ通りに作ってる？』
「レシピなんていらん。全て目分量だ。」
『原因それだな。』

お菓子作りで目分量とかふざてんじゃねぇぞ眼鏡。
しかも初めて作るのにレシピ無しとかどんだけ自分に自信があんだよ。

『あのね、お菓子作りは目分量じゃ駄目なの』
「里芋の煮っころがしなんて俺は全て目分量だぞ。」
『里芋と一緒にすんな。』

お菓子と里芋の煮っころがし一緒にする奴初めてだわ。
こりゃ根本的な所から教えないと失敗作が生まれるばかりだ。

『はぁ…。仕方ない。食べれそうな物は各自お友達とかに配ってあげて。
つむぎ先輩、食べれそうに無いそこの石炭クッキーとかは三毛縞さんにあげてきて。
あの人なら何でも食うだろ』
「わ、分かりました…」

そう指示をして敬人に向き直る。

『敬人。今から１回レシピ通りに作ってみよう。
そうすれば絶対上手く出来るから』
「俺はレシピなんて」
『レシピを見ずにやった結果これだろうが』
「…度し難い…。貴様が言うならば仕方ない。」