【あんスタ】夢ノ咲アイドルの日常☆【短編集】 (ページ5)

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一番星のアイドル《天祥院英智＆天城一彩》ページ5

「ウム…これは少し味がしつこいね。血糖値が上がりそうだ。」
「君もそう思うかい？なかなか分かる子だね。
僕も同じ事を思っていたよ。」

ここはESの食堂。
今日は珍しく食堂で食事を採ることにした僕はALKALOIDの天城一彩君とテーブルを囲んでいた。

彼は面白い子だ。興味本意で食事に誘ったのだけどなかなか味のある子だと僕は思う。

「ところで天城く…いや、苗字で呼ぶとお兄さんの方と混ざってしまうね。一彩君は瀬名君と似ているね。」
「瀬名君…あぁ、藍良から聞いたよ！
Knightsの瀬名先輩だね！だけど僕と瀬名先輩の何処が似ているのか分からないよ！」

ずっと思っていた事を話せばスプーンを置いて僕を真正面に無垢な瞳で見つめる一彩君。

確かに2人は全く似ていない。
性格も言動も何もかも違う。寧ろ正反対な位。

だけど１つだけ共通点があった。

「君のその髪だよ。ほら、瀬名君も色は違えど同じ様な髪質だろう？
だから君を見る度瀬名君を連想させるよ。」

「ウム、そう言われると確かにそうかもしれないね！
僕は兄さんと違って癖毛だからね！
だけどそれを言うのなら天祥院先輩も藍良と似ているよ！」

「白鳥君と？」

白鳥藍良君。同室の1年生の子。
彼も一彩君と同じALKALOIDの1人で名前の通り白鳥の様な子だ。
反応が大きくてからかいがいがあって面白い。

でもあんな穢れを知らない、純粋にアイドルを応援しているあの子と僕の何処が似ているというのだろうか。
…あぁ、もしかして髪型の事かな？
それなら確かに似ている。

「藍良も天祥院先輩もアイドルが大好きな所だよ！」

だけど一彩君は僕の予想外な言葉を吐いた。

「僕はまだアイドルを良くは思っていない。
でもアイドルになった事を後悔はしていないよ。
何故ならALKALOIDの仲間と出会わせてくれたからね！」

…あぁ、この子は「彼」と良く似ている。

見た目は似ていなくとも中身はあの子そっくりだ。
時が止まり、希望を失った夢ノ咲を変えた革命児に。

「…そうかい。後悔をしていないのならそのまま突き進みなさい。
きっと君もあの子の様な一番星になれるさ。」

「僕はまだ死にたくないよ！」

「言葉の比喩さ。その内君にも分かる。」

今はまだただの星でもいつかこの子もー。