【あんスタ】夢ノ咲アイドルの日常☆【短編集】 (ページ12)

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咄嗟に出た言葉。
何も考えずに飛び出した言葉。

その言葉は兄者に届いたのか振り返って目を丸くして俺を見つめる。

何そのアホ面は。なんて嫌味を言いたくなるほど間抜けな顔をしていて。

「凛月、」
「裏切った事を許した訳じゃない。そこは勘違いしないでよね…でも、」

俺も兄者と向き合う為立ち上がる。

俺と同じ真紅の瞳が俺だけを捕らえる。

「…決してお兄ちゃんの事は嫌いじゃないよ」

真っ直ぐ目を反らす事無く伝えた言葉。
すると兄者の真紅の瞳から一筋の涙が零れたのを見逃さなかった。

「…凛月やぁぁぁぁっっ！！！」

「は、！？ちょっ」

ドサッ！！！

いきなり俺に飛び込んで来た兄者を受け止めようとするが、体格に差が有りすぎてそのまま後ろに倒れ込んだ。

本当馬鹿じゃないの…？

「ちょっと、重たいから退けてくれない～…？」
「吾輩も凛月の事が好きじゃ～！！うっうっ…おーいおいおいおい」
「汚いなぁ～…。人の制服で鼻水ふかないでくれる～？」

俺のブレザーで涙と鼻水を拭く兄者。
最悪。こんなので教室戻れないんだけど。

「凛月がお兄ちゃんと呼んでくれるなんて…おーいおいおいおいっ」
「その泣き方何とかならない訳～…？」
「吾輩幸せじゃ、凛月のお兄ちゃんで居られて幸せじゃ～…」

__「ちょっと朔間、くまくんが困ってるでしょぉ～？離れなよ、いい歳こいた男が。」

「セッちゃんまで来たの…？」
「アタシもいるわよォ♪」

と、セッちゃんの後ろからひょこっと顔を出したのはナッちゃんだった。

「ナッちゃんまで…。いい加減退けろクソ兄者」
「凛月が反抗期に戻ってしまったわい…」
「はいはい、そこまでね～。
それより朔間、アンタ蓮巳が探してたよ。
こっちにまで連絡来たんだから。」
「蓮巳君を怒らせたら面倒じゃな…。
瀬名君と鳴上君、凛月を頼むぞい。
吾輩は急いで蓮巳君の所に行ってくるわい…。」

言いたい事だけ言うとヒョロヒョロした走り方で行ってしまった兄者。

「…伝えたい事は伝わったみたいだねぇ。」
「そうねェ、よかったわね。凛月ちゃん。」

「…はぁ…。ちょ～うざ～い…♪」
「ちょっとくまくん！？それ俺の真似でしょ！？
著作権侵害で訴えるよぉ？」