『初恋の誓い』【八乙女楽】「第一部」 (ページ11)

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「私、決めたよ！」

「……何を？」

突然のAの言葉に「一体何を決めたんだ？」と思い聞き返すが、それは思ってもみない言葉だった。

　
じっと楽を見つめ少し恥ずかしそうにしたがそれも束の間。

「私、大きくなったら楽のお嫁さんになる！」

「……は？」

Aの爆弾発言にフリーズして間抜けな声を出す楽は、その言葉を何度も頭の中で唱える。

やっと意味を理解すると、物凄い勢いで顔を真っ赤にした。

「なっ、！」

Aは天然なのか、ニコニコと楽を見つめて「駄目かな？」何て首を傾げていて、その仕草と反応に余計顔が赤くなる楽は端から見れば面白い。

「っ！意味分かってんのかよ！」

動揺しながら言う楽に「分かってるよ！」と満面の笑みで返事をするA。

それを見て楽は「絶対分かってねえ」と心の中で思うが、勇気を出して自分も言う。

「……俺もお前以外と結婚するつもりなんかねえよ。」

そっぽを向く楽は、今までにない程顔が真っ赤である。

「結婚って？」

「…え、…」

頭に？を浮かべ、楽を見つめるAに「…マジかよ」と楽は盛大に溜め息を吐く。

そんな楽の気持ちには気付かず「楽具合悪いの！？」と心配しだすAに、余計に溜め息が出る楽であった。