単細胞の幼馴染は疲れます。２ 【ハイキュー!!】

リベロ ページ16

,


西谷「けどやっぱ“憧れ”と言えばエースかあ」

日向「ハイ！エースカッコイイデス！」

西谷「“エース”って響きがもうカッコイイもんな〜。
“エーススパイカー”っていう花形に比べたら、セッターとかリベロとかパッと見地味だもんな」


西谷さんの言葉に興奮気味に返す翔陽
その反応に“分かる”と頷きながら、やっぱり悔しそうに“チクショウ”と零した

セッター と パッと見地味 という言葉に反応した影山さんはムッと顔を顰めて、今にもセッターの良さを語ろうとしてる。それをまぁまぁと宥めるのは同じポジションの菅原さん

そんな二人を後ろに、西谷さんは“けどよ。”と続ける


西谷「試合中会場が一番“ワッ“と盛り上がるのは、どんなすげえスパイクより、スーパーレシーブが出た時だぜ」

日向「！」

西谷さんが語るリベロの良さに、翔陽の瞳が輝いた

確かに、絶対決まるって確信したのを嘲笑うかのように、ボールを上げるあのスーパーレシーブを目のあたりにした高揚感は尋常じゃないよね。


西谷「高さ勝負のバレーボールで、リベロは小っちぇえ選手が生き残る唯一のポジションなのかもしんねえ。
けど、俺はこの身長だからリベロをやってるワケじゃねえ。
たとえ身長が２ｍあったって俺はリベロをやる。


スパイクが打てなくてもブロックが出来なくても、ボールが落ちさえしなければバレーボールは負けない」

“そんで――”と続ける西谷さんは自分の胸をトンと親指で指さし、ニッと口角を上げる


西谷「……それが一番出来るのが、リベロだ」

日向「〜〜カッコイイッ！！
なっ、A！今の西谷さんめっちゃカッコよかったよな！？」

『えっ…？あ、うん……？』

西谷「なッッ！！？そ、そんな急に、スッ、好きとか言われても……！」

澤村、菅原「「言ってない言ってない」」


日向の言葉に“うん”と同意しただけなのに、話をかなり飛躍させた西谷さんは、容赦なく両サイドからツッコまれる。

西谷さんはｶﾞｯｸﾝと涙を流しながら膝から崩れ落ちた。ご愁傷様です


西谷「……で、“エース志望”！お前の特技は？」


暫く膝をついた状態だった西谷さんだったけど、グッと涙を拭うと何事もなかったかのように立ち上がった
復活はや…。


西谷「レシーブはへったくそだしな。
他になんかあんだろ？特技」

日向「……お……とり…」

西谷「あ？鳥？」

日向「おっ…囮……」


言いづらそうに俯いた翔陽
少しの間を開けて、自信なさげに答えた

呼び方なんて→←小さくても

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す