16.包まれた夜 ページ17
《Sanji side》
夜中であろうとも、自分の仕事に手を抜くつもりはない。
今日はいつもより明日の食事の仕込みに時間がかかり、遅くまでキッチンで作業をしていたのだ。
だから甲板に向かう誰かが見えたのは、偶然だった。
まぁ、あの身長からして誰かは予想がつく。
夏島近辺といえども、夜の海風は冷たい。
あんな薄い部屋着では風邪をひいてしまう。
男サンジ、レディに風邪を引かせるわけにもいかず、甲板に出た。
「夜の海風は冷えるんだ。こんな所にいると風邪引くよAちゃん」
小さな肩にジャケットをかけてあげる。
こちらを振り返ったAちゃんの目は少し潤んでいて。
(また、泣いてたんだな)
向こうの世界の事だろう。
先日もフォアマストの前で話を聞いた時に泣いていた。
辛い過去がある事は分かりきっている。
無理に話を聞くべきでないとわかっている。
新しいタバコに火をつけて、おれもAちゃんと同じように柵に肘をつく。
しばらく沈黙が続いた。
「夜の海も、綺麗ですね…」
「あぁ、海はいつ見ても綺麗だ」
また、沈黙が流れる。
今度は俺がそれを破る。
「泣きたい時は、キッチンに来るといい。美味しいホットミルクをいれてあげる」
Aちゃんの方を見ると、ビックリしたように彼女もこちらを見ていた。
「べつに、泣いてません」
視線を海に戻しながらそうやって言うから、頬の涙の跡をそっと撫でた。
まだ小さなその背中に、きっといくつも辛い過去を背負って生きてきたのだろう。
泣き言を言う暇もなく、助けを求める人もおらず、強がってその心を保ってきたのだろう。
幼い頃の自分が、そこにいる気がした。
「強がらなくていいよ。誰も見ちゃいねぇさ」
真っ暗な闇は何も映さない。
だからこそ夜は不安に飲まれそうになるけれど、だからこそ夜は、
「…そうですね。じゃあ、ちょっとだけっ…」
強がりな涙を他の全てから隠してくれる。
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ぷりん(プロフ) - 「ぱずる」さん» そうなんですね！何も知らずごめんなさい😿とても面白い作品でお気に入りです！更新頑張ってください応援してます✊🏻🤍 (2022年8月24日 0時) (
レス) id: 30c6d797b4 (このIDを非表示/違反報告)
「ぱずる」(プロフ) - ぷりんさん» 誤解させてしまってすみません！今この作品書き直しの途中でして、まだ14話からは更新できてない状況です。続編はまだ手をつけてないのでそのままなんです。誤解させてすみません点 (2022年8月23日 21時) (レス) id: 6f1abe1470 (このIDを非表示/違反報告)
ぷりん(プロフ) - 13話から話が飛んでいて次の続編へ行ってしまうのですが14話からは作者様が消されてしまったのでしょうか😿 (2022年8月23日 21時) (レス) id: 30c6d797b4 (このIDを非表示/違反報告)
シェイガー(プロフ) - こんな現象が本当にあったらいいのにな〜笑笑 (2019年9月2日 3時) (レス) id: 524b76be29 (このIDを非表示/違反報告)
むちゅ - 学校も楽しくないし行きたくない、アニメを見てた方が、本当に幸せだと感じる。そう思うのは私だけですかね… (2017年1月9日 22時) (レス) id: 81902d63ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：「ぱずる」 | 作成日時：2016年8月31日 23時
