第67話 ページ20
夜
歓迎会という名の飲み会が始まった
審神者様が居ないから飲み放題だと盛り上がっている
お酒は強くはないが、歓迎してくれてるみたいだから付き合っている
「ほらほら、もっと飲みな〜」
『あ、ありがとうございます』
「次郎太刀、そろそろ薦めるのは止めた方が」
「何言ってんの。主役が飲まないわけにはいかないでしょ」
「ですが...」
『お気遣いありがとうございます。でも、まだ大丈夫なんで』
「もしもの時は俺が運んでやるよ」
『ありがとうございます』
酔っぱらいを、酔っぱらいに運ばれるのも不安だ
ほどほどにしよう
数分後
やっぱりお酒が弱かった私は迷惑をかける前に自力で部屋に戻ることにした
部屋に戻ると近侍の三日月さんが居た
「飲み会は終いか？」
『ちょっと、飲み過ぎました』
「はっはっは、そうか。ゆっくり休むといい」
『はい』
三日月さんの言う通り休もう
『わっ！？』
ドサッ
「あ、あなや...」
あらかじめ、スグに寝れるように敷いてあった布団に躓き、そのまま私は三日月さんごと布団に倒れた
『す、すみません！』
「はっはっは。これは驚いたな」
笑いながらも少し顔が赤い三日月さん
『わ、わざとじゃないんです！今、退きますから！』
グイッ
『ちょ、ちょっと！』
離れるのを阻止するかのように腕を掴む三日月さん
「...懐かしい。以前にも似たようなことがあった気がする」
『え？』
「お主の顔が赤くなるところを、愛しく思う」
『な、何を言って＿＿』
「Aよ...今宵は共に居てくれぬか？」
『....』
切な気に笑う三日月さんを放っておけなくて、私は頷いた
「あの子が今頃どうしてるのか気になる？」
[何故、このような計画を立てた]
「あの子が曖昧な記憶を知る為よ。それ以外にないわ」
[俺にはそう見えん]
「刀剣男士に疑われるなんて悲しいわ」
[そなたは信頼出来ん]
「信頼してほしいとは思ってないわ」
[....]
「あっ、そうそう。言い忘れていたわ。数日間だけAちゃんに近侍をつけたの。三日月宗近を」
[...何を企んでいる]
「さぁ？今頃どうしてるかしら。恋仲だった頃を思い出して...なんてね」
[...っ！]
「冗談よ。そんな怖い顔しないでよ」
[....]
「でも、時間の問題よ？だって、三日月は最近何かを思い出しかけてるんだから」
[なに...]
「捕まえておかないと取られちゃうわよ？元彼に」
[....]
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作者名：ゆきんこ | 作成日時：2020年9月22日 20時
