八犬伝―東方八犬異聞― 『私の大切なもの…』

第六話 ページ9

とある洋館で…

要「莉芳！オモシロイ報告書が届いたよん･」

莉「へぇ…」


報告書を片手に部屋へと入ってきた青年…尾崎要に
部屋の中にいた髪が長めの青年…里見莉芳は興味なさげに答えた


要「数年前から子供のまま姿の変わらない男の子と、犬へと変身する青年
　それにあの「黒狼」に生かされた女の子の話なんだけど
　何か興味そそられない？」

莉「成長不良の子供と人面犬と気まぐれに選ばれた女の話が？」

要「あのね…犬塚信乃・A、犬川荘介、3人ともあの大塚村の生き残りだそうだけど
　5年前の大塚村っていったら君の担当だよね？」

莉「そうだったか？」

要「何とぼけてんの！？あの「村雨」だってあれで行方知れずになちゃってアンタ上から大目玉く らったでしょーが！！
　とりあえずコレ置いてくから興味あったら見てみてよ
　じゃあね」


バタンと閉じられた扉
部屋に残された青年は報告書を持ち上げ、そして…


莉「へ…え…、まだ生きてたのか…それはそれは…
　お気の毒に」


そう呟いた。

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