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切りの良い所まで進めてチラリとスマホで
時間を確認すると2時を過ぎた所だった。
「さて家にいるかなー??」
そう呟いて立ち上がると
ヘルメットを被りバブに跨った。
そして15分ほどバブを走らせ
着いたのは六本木のタワーマンション。
手慣れたように来客用の駐車スペースに
バブを停めると、エントランスに入り
最上階のインターホンを鳴らした。
『はい。』
「竜ちゃん、わたしだけど。
上がっても大丈夫??」
『A??うん、いいよ。』
ロック解除の音がしてAは
自動ドアを抜けて、エレベーターに乗った。
蘭と竜胆が2人で住むマンション。
3年振りだとエレベーターで
上りながら外の景色を眺めていた。
最上階でエレベーターが止まると、
Aはこの階に1つしかないドアの前で
もう1度インターホンを鳴らした。
バタバタと音がしてドアが開くと
ぽふんと抱き締められた。
「…はー…連絡してから来いよな、A。」
「ごめんね。
スマホ買ったのはいいけど
連絡先わかんなかったからさ。」
蘭は寝起きだったのかスウェットに
少し乱れた髪のままそう言った。
無言でAを抱き締め、しばらくすると
満足したのか体を離して笑った。
「んーん。ちゃんと来てくれて嬉しい。」
いつもの妖艶な雰囲気とは違い、目を細めて
笑った蘭は言葉通り嬉しそうだった。
「兄ちゃん、そんなとこでイチャイチャ
してねぇで早くA上げてやれよ。」
「…竜胆はうるせーな。」
竜胆に急かされてAの手を握り
中に入る蘭はそうダルそうに呟いた。
「A、いらっしゃい。
兄ちゃん今起きたとこだから軽めの
メシ作ってんだけどAも食う??」
「いいのー??朝食べたきりだから嬉しい。」
竜胆はエプロンをしてにかっと笑うと、
キッチンに戻った。
Aは蘭に手を引かれるままソファに座った。
「昼も食べんの忘れて何してたわけ??」
「お店のインテリアの配送頼んだり、
お酒の注文したりしてたんだ。」
「なるほどね。
オープンいつとか決めてんの??」
「とりあえず1ヶ月は見てるよ。
ピアノとか楽器も
少し探さないといけないからね。」
「何にせよ、メシはちゃんと食えよな。
Aは元々細っこいんだからさ。」
「ふふっ。はーい。」
くすくすと笑って頷くAを
見つめた蘭は聞いた。
「…マイキーに会った??」
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作者名：YUMi | 作成日時：2022年7月23日 12時
